皆さんは樽フレーバー(タルフレーバー)はご存じだろうか?
チャー(焼き)を入れた木材のスティックをウイスキーに浸すと、樽熟成さながらの樽香をウイスキーに与えることができるという代物、である。
最も有名なのは株式会社 都光さんのものだろうと思う。
|
現在、アメリカンホワイトオーク、ミズナラ、山桜、栗の4種類が発売されていて、個人的には栗に興味がある。
以下、タルフレーバー「クリ」の商品説明
英訳すると「Chestnut」と呼ばれ、ヨーロッパでは古くからポートワインやシェリーなどの輸送に使用されていました。スパニッシュオークなどと比較しタンニン分が少なく、熟成が進むにつれて特有のほくほくとした甘みをお愉しみいただけます。
特有のほくほくとした甘み、想像できるようでできなくて好奇心をくすぐる。
今回の目的はミズナラだったのでインターネットを探していると
新潟のショップ、NiiMoさんもミズナラのスティックを発売していた。
「タルフレーバー」よろしく桜スティックも発売されている。
というわけで今回はこちらの「ミズナラスティック」を購入した。
|
1本あたりの価格で言うとこちらのほうが安くてありがたい。
|
ちなみに便利なボトル付きセットを買った。
ボトル+ミズナラスティック4本+漏斗がついてくる。
一度、響JHを試しにつけてみたのだが、レーザーの焼き加工はされているものの側面は全く加工がないのであまり色、香りがつかなかった。
という失敗?を糧にコンロであぶって焼きを入れたスティックを新たに用意した。
当然、木材なので火が付きやすいので火事に気を付けながら真っ黒になるまでやった。
それを山崎のミニボトルへ漬けてみた。
それがこちらである。
左、ふつうの山崎
右、ミズナラスティック入り山崎
どっちもつまみ飲みしたせいで液面が下がっている。
右のボトルに小さく「2/8(日)」と書いてあり本日4/27なのでだいたい2か月半くらい熟成している。
撮影が下手すぎてわかりにくいが光の加減を差っ引いても明らかに色が違う。
というわけでノーマル山崎とミズナラ山崎を比較していこう!!
ノーマル山崎
色:透明感のある琥珀色
香り:ツンとしたアルコールのあとに柔らかで軽やかなフルーティな香り、正直ミズナラの香りの知識がないのでこのノーマル山崎の中のミズナラ感はよくわからない。
味:一瞬スパイシー、浮かぶ果実の香り、余韻に鼻を抜けるノスタルジアにかられる香りがほのかに。
・・・こんな感じでいいんですかね?ポエム書けてる?
ミズナラ山崎
色:明らかに濃い琥珀色
香り:ノーマルと比べると驚くほどアルコールの香りが無い。ネガティブ要素を包み込むような使い込まれた木造家屋の風通しのいい香り。ノーマルの爽やかさは潜んでいるもののなくなったわけではなく余韻に寄り添っている。
味:粗探ししてやろうという気概で飲まないと見つけられないくらいにアルコールの刺激がほとんど無い。ノーマルで感じたノスタルジアに駆られる香りがどっぷりと。思わず目をつぶって昔を確かめたくなるような気持ちにさせる。ノーマルよりかは余韻は長いがフッと消えていく。
・・・こんなもんでいいでしょうか?
まず驚いたのはアルコール感がほとんど消えていたこと。
単純に封を開けて2か月半経ったからなのかな・・・?
香り、味に関しては樽感が全体的に底上げされてすっかりと山崎の風味を支配している。ちょっと過剰な樽感になっちゃっているのでこうして考えると山崎NAの良いバランス感覚、完成度の高さが感じられる。
だとしてもこのミズナラスティックによる疑似追熟、良い。
ミズナラの香り、というのがいまだによくつかめないので白檀のお線香でも買ってきて家でくすぶらせてみようと思う。
熟成のやりすぎには注意なのでそこだけは注意されたい。
飲んだ後にも付属の漏斗が役立つ。
秘伝のタレよろしく減った分は継ぎ足し、継ぎ足しで秘伝の山崎を作ってみるのもいいかもしれない。ミズナラスティックは二度付け厳禁?
あとで調べてみたら全面チャーリングを施した「ミズナラスティックブラック」なるものも発売されていた。正直コンロで炙ると服が焦げ臭くなってかなわないのでそういう労力を省きたい方はそちらを購入するほうがいいと思う。
|