レビュー記事を見返していると頻出単語が気になりだします。
自分の場合はそもそもワードのレパートリーが少ないため一つの香味に一つのワードしか割り当てられないせいで頻出単語化しているようにも思えます。
経験を積めば「甘い」一つでも「メロウ」「蜂蜜」「砂糖菓子」「キャラメル」「バニラ」「シロップ」とか表現を使い分けてかさ増ししていきたい。
さて、第15回は個人的に好きなこちら。
ニッカ セッション
NIKKA session
製造元:ニッカウヰスキー株式会社
内容量:700ml
アルコール度数:43%
購入時価格:4,180円(税込み) 忘れた。多分定価なので左記価格。
2020年9月29日に発売された「ブレンデッドモルトウイスキー」。
日本の余市蒸留所と宮城峡蒸留所、そしてスコットランドのベン・ネヴィス蒸留所のモルト原酒をヴァッティングしたものなので便宜上「ワールドウイスキー」と呼称します。
が…正直ジャパニーズウイスキーの定義が定められてからというもの呼び方に困るウイスキーが増えているのが悩みである。セッションの場合はまだベン・ネヴィス原酒が使用されていると(ほぼ)名言されているのでまだ扱いやすいが、「一部輸入原酒を使用しています。」とだけ書かれている日本産のウイスキーはジャパニーズじゃないのか?といったらよくわからない感じである。神経質になりすぎなのだろうか?
ネガティブなことを言うと発売当初は品薄の影響で転売価格になり高騰していたような気がしますが、今では供給が追い付きどちらかというとサントリー碧と並び立つ酒コーナーの棚の守護神と化しているのが一般的な認識です。
多方面に失礼…
かと言ってセッション自体が微妙だからという意味ではなく「モノは良いけどもう1,000円安ければ…」とかそういう方向での残り方なので品質自体は評価されているものだと自分は思います。
ブレンデッドモルトだし高いのは仕方ないよね。。。
個人的にはこの青いボトルは光に照らすとぼんやりと青く透過光を落とし超好みである。
「sesƧion」という風に真ん中のS字が向かい合っているのも特徴的。
スクリューキャップ。
ボトル、キャップの形状自体は余市、宮城峡、竹鶴、(伊達?)のものと同じっぽい気がする。
伊達は手にしたことがないのでわからない…
・公式評(ニッカウヰスキー商品ページ)
香り :オレンジやりんごのような爽やかな香りとモルトの甘さと香ばしさ。
樽由来のおだやかで心地よいバニラ香。味わい:なめらかでクリーミーな口当たり。
オークの甘さと調和したフルーティーで軽やかな味わい。余韻 :ほのかにビターな味わいとピートの余韻がゆっくりと広がる。
華やかな香りが特徴のスコットランドのモルトと、ビターな余韻が特徴の日本のモルトが出会い、互いの個性を発揮しながら繰り広げる心地良い音楽のようなウイスキーです。華やかな香りとモルトの香ばしさ、なめらかな口当たりとオークの甘さ。ビターを伴うピートの余韻が特徴です。
https://www.nikka.com/products/malt/session/
・ストレートで飲んでみる
色 :薄めのゴールド
香り:ややスモーキー、次いで華やかなモルト香。
奥からフルーティな香り。アルコール刺激はほぼない。
味 :やはり序盤にスモーキーさ、次に柔らかな甘みを感じる。
余韻に爽やかなフルーティーさ、最後に再びスモーキーさが抜けていく。
・ロックで飲んでみる
香り:ややピーティな香りが主張し、追ってモルティな甘い香り。
味 :甘さが前に出てくる。力強いピート感も感じ取れる。
余韻はかなり長くなり、さながら「デクレッシェンド」(音楽記号)のように伸びやかに消えていく。
・ハイボールで飲んでみる(セッション・ソーダ)
味:ピート感の腰が折れずよく伸びる。
奥のフルーティさ、モルティさも消えていない。まさしく「セッション」。
ハイボールにしても驚くほど余韻が長く、一口ごとのコスパがいい。(?)
・総評
加水以降の余韻の伸び方は驚愕。
演奏を聞き終わった後の頭の中の残響のごとく深く力強い風味を残していく。
メーカー推奨の「セッション・ソーダ」はもちろん、ロックの段階でもその伸びやかな力強さを感じることができ、おススメである。
ストレートでは華やか、フルーティ、スモーキーと香味の三重奏を楽しめるのでこれもオススメ。
力強いといっても、やはりベン・ネヴィス原酒の比率が大きいのか影響が強いのか、比較的ライトにまとまっている。
ブレンデッドモルトというカテゴリにおいても飲みやすい部類なのではないかと感じた。
惜しむらくは本当に価格面で、確かにもう1,000円安ければ超コスパのいいウイスキーになれていたのでは?と感じる。
ただ、小売り価格も下がってきていて安いところでは3,300円くらいで買えるところも存在するのでこれくらいなら味、価格の総合的に見ても良ウイスキーに入るのではないだろうか・・・?
碧なんて5,000円だし。
・所感
多分構成原酒の出自が判っているから「ピートですわね」、「バニラですわね」、「フルーティですわね」などとくっきりと判別がつくのかもしれませんが、個々が独立してフレーバーを発揮し、なおかつ互いを邪魔せず調和する…これこそがまさに「セッション」たる所以だと強く感じましたのよ。
冒頭で長々書くのはどうかと思いましたのでこちらに移動して書きますが、「余市」「宮城峡」「ベン・ネヴィス」の構成は旧竹鶴も同じ(という噂)なのがウイスキーファンの中の共通認識と化していますわ。
ならセッションは本当に旧竹鶴の代替として生まれたものなのか?旧竹鶴との違いは?(まとめサイト)という疑問が生まれてくるのももっともですわね。
しらべてみても新竹鶴との比較ばかりヒットしてよくわかりませんでしたけど!!!!
まぁそもそも余市原酒ひとつ取ってもヘビリーピート、シェリー、アメリカンホワイトオーク等々と原酒の作り分けをしているので全く同一の商品を出すわけがなく…ムキになって調べてみたらセッションのほうがベン・ネヴィス感が強く、旧竹鶴は余市、宮城峡が強かったなどという感想がチラホラと見受けられましたわね。
なかなか勉強になるウイスキーでしたのよ!!
ちなみに最近はカートン付きのものも出回り始めたのでそういう収集癖のある方は探し回ってもいいかもしれませんわね。
・次回
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