読み方が複数あるウイスキーってなんかかっこよくないですか?
ぱっと思いつく限りではクライゲラヒ(クレイゲラキ)とかアイリーク(イーラッハ)とかブルックラディ(ブルイックラディ)*1とか・・・
あとはポッチゴー( POIT DHUBH )みたいな「いや、そうは読まんやろ…」って感じの難読ウイスキーも面白くて好きです。
上の文章は本編と全く関係ないです。第28回はこちら。
Ichiro’s Malt & Grain World Blended Whisky
内容量:700ml
アルコール度数:46%
ワールドブレンデッド・ウイスキー
購入時価格:3,850円(税込み)
今や愛好家の中で知らない人は居ないほどの知名度と存在感を誇る「イチローズモルト」の通称ホワイトラベルです。
ウイスキーをよく知らない頃は野球のほうのイチローがウイスキーにも出資してるのかと思ってました。わざわざ説明するまでもないでしょうが、秩父蒸留所のオーナーである肥土伊知郎氏の名前から命名されています。
金の文字が白いラベルに映えて美しい。
この「イチローズモルト&グレーン」はその名の通りブレンデッドウイスキーです。
それに加え、スコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアン、そして日本の秩父蒸留所の原酒をブレンドしたワールドブレンデッドウイスキーです。
この試みはサントリーの碧よりも早く、かつあちらより安価で手に入るのが魅力的です。
ちなみに、このジャンルのはしりは1990年代のキリンシーグラム「TEN DISTILLERIES」らしいです。(アイリッシュを除いた4か国の原酒を使用)
(参考画像)
話を戻して、この「イチローズモルト&グレーン」にはロットナンバーが存在し、番号によって味わいが微妙に変わってくるらしいです。今回のものは679。
ノンチルフィルター、ノンカラーです。
かなりしっかりとした作りのコルク栓です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
トップには秩父蒸留所のロゴが焼き印されています。
こういう些細なところでもブランドというものを大事にしているのが伝わり好感にもつながるので巧みだなぁと素人ながらに思いました。
・公式評
なし!
意外や意外、公式サイトがありません。
・ストレートで飲んでみる
色 :透明感を感じるゴールド
香り:花の蜜のようなほのかな甘い香り。
なんだろう、香りがそれ一点に集約され一体化しているよう。
複雑さは感じない。思ったよりアルコールアタックは感じない。
味 :グレーン特有の溶剤っぽさを感じるが優しい甘みで覆っていて苦にならない。
ブレンドの妙。やや人工的な甘さ。バーボン感が強い?
余韻はパッと消えるドライさがある。
・ロックで飲んでみる
香り:すこし樽っぽさが出てきた?甘い香りの中にウッディな香りを感じる。
ここまでくると多層的なものを感じられてくる。
味 :味は激変した。
樽からのビターさが終始支配し傍らに優しい甘さが添えられている。
・ハイボールで飲んでみる
味:ウッディさが主張する面白いハイボール。
甘みも伸びが良いので樽からのビターさに追随してくる、といったイメージ。
軽やかでいて深みもある。面白い。
・総評
加水でウッディさがどんどん顔を出してきて豹変する。
一転ストレートではお上品にすべてを隠しているのでその二面性がありえんくらい面白い。
秩父蒸留所の原酒は「独特の香木感」とよく形容されているがこの強いウッディさがその独特の香木感だとすると秩父原酒の影響力すげぇ!!!!!!となる。
46%というちょっと高めの度数でのボトリングというのもあり割り負けずに広がってくれるのでハイボールがオススメ。
ストレートは別物の顔を持っているので飲み比べてみるのも楽しい。
・所感
と、上では絶賛し、ボトル一本で複数の顔を楽しめるというとそれはとてもいい面と言えますが値段面で見ると「どうかしらね~」といった感じですのよ。
価格帯で見るとシングルモルトも競合してくるレンジですので価格から見た選択肢としてはやや不利な気もしないでもないですわね。
ただ、イチローズモルトの恒常ラインナップで唯一入手しやすいボトルですのでわたくしのように「イチローズモルトとはなんぞやですの?」という方にはとりあえず手に取ってみるボトルとしては十分イチローズモルトの個性を感じられるのでオススメできますわよ!
また、上でも書いた通りロットナンバーによる微妙な差異を探す「イチローズ・マニア」*2を楽しんでみるのもいいかもしれませんわね!!!!!!!!!!!
・次回
・前回