なもなきアクアリウム

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【レビュー】#89 『サントリースペシャルリザーブ10年』(1996年~2006年頃流通)

こんにちは。もう一度、こんにちは。

 

5月の新月はなんと2回あり、

1回目は5月1日の5:30頃2回目は5月30日の20:30頃らしいです。

 

Q.なんの話?

A.これ

asgsn.hatenablog.com

 

今回はオールドボトルシリーズ、こちら。

 

サントリー スペシャリザーブ 10年

SUNTORY SPECIAL RESERVE AGED 10 YEARS

製造元:サントリー

内容量:750ml

アルコール度数:43

ブレンデッド・ジャパニーズウイスキー

購入時価格:3,000円(税込み)くらい

 

 

 

 

オールドボトルです。

 

サントリーリザーブブランド、現行品についてはこちらで。

asgsn.hatenablog.com

 

流通時期は1996年~2006年頃。

 

ローヤルで言うとプレミアム12年12年シルバーラベルの頃です。

確認できる限り2タイプあるようで、今回は前期タイプです。

 

また、リザーブの歴史において

最初の年数表記ボトルであり、

最後のアルコール度数43%のボトルでもあります。

 

後発ボトルに12年15年が存在しましたがどちらも40%に引き下げられていて、現行においてもそのまま据え置かれています。

 

https://w.atwiki.jp/jwhisky/pages/205.html

 

当時の価格は2,230円。

現在の二次流通の場においては3,000円前後で取引されています。

 

12年や15年についてはほとんど出回っているのをみたことがありません。

どっちかといわなくてもコレクター的アイテムな気がします。

 

スクリューキャップです。

初代から一貫してスクリューキャップです。

 

トップには例の響マークがあしらわれています。

 

 

・公式評(裏ラベルより)

終売品なので裏ラベルを紹介します。

冒頭で「前期のもの」と称したのはこの裏ラベルに相違があるからです。

 

上:たぶん前期

下:おそらく後期

 

「華やかでまろやか」という文言は現行品でも使われています。

 

 

・ストレートで飲んでみる

色 :やや濃いアンバー

香り:爽やかな青りんごの香り。グレーンっぽい甘い香りも目立つ。

   アルコールアタックはそこそこ感じる。

味 :じんわりと樽感。追ってほのかな甘み。

   余韻に青りんご感が抜けていく。思ったより厚みがある。

 

 

・ロックで飲んでみる

香り:花の蜜のような甘い香り。

   グレーン由来の溶剤っぽい甘い香りも出てくる。

味 ;ストレートの味から甘みが抜けて樽のビターさが重くなった感じ。

   余韻は爽やか。なんだか混乱してしまう。

 

 

ハイボールで飲んでみる

味:ここにきてほんのりスモークを感じる。白州由来が出てきた?

  かなりドライなハイボール。樽感が強いのでどっしり感はある。

 

 

・総評

当時のリザーブはそこまで白州押しではなかった…?

 

どっちかというと青りんご系のスペイサイドライクなものに思える。

ハイボールくらいまで加水するとようやく白州のニュアンスが出てくる。

隠し味みたいな扱い…?

 

当初のリザーブのキャッチコピー「国産品と呼ばずに、国際品と呼んでください。」という言葉を脈々と継承し、どことなくスコッチを意識してそちらに寄せているような印象。

 

おすすめは加水以降、ロック~ハイボール

やはりこの時代は水割り前提の構成なのかも。

 

 

・所感

リザーブと言えば白州ですよね!という謎の先入観を捨てないことにはまともに向き合えないような気がしますわね。

 

現行リザーブのレビューでは「白州の代用になり得る?」みたいなことを書いた覚えがありますがやはり白州は白州リザーブリザーブとはっきりとした境界が存在しているのがよくわかりましたのよ。

 

10年と現行に共通して言えることは、知多グレーン由来なのかやはりどこか「モッタリ」とした間延びした甘みが存在するということですわね。

10年については加水で伸びてそのニュアンスが薄れ、樽感が主な要素になってくるのでやはり加水…加水は全てを解決する…ですわよ。

 

 

 

今回のボトルはざっくりとわけた前期のボトルですが、同時期のローヤル(プレミアム12年12年黒ラベル)と比較するとやはり完成度にかなりの差を感じずにはいられません。

イクラスのプレミアム12年は置いておいて、だいたい1,000円差くらいの12年黒ラベルと比較してもリザーブ10年はやや粗が目立つような気がします。

 

…まぁローヤルとリザーブを同じ土俵で比較するなと言われればそれはそうなのですが、当時の基準で言ってもローヤルとの差別化はちょっと厳しいかな…?と思わざるを得ないという所感でした。

ちょっと辛口すぎるかな…

 

ローヤルは12年シルバーラベルから「キレの良さ・サッパリさ」に舵を切り始めたので、それに時期の被るリザーブ10年の後期版がもしかすると幾分サッパリとした白州原酒が活きるブレンドに変わっているのかもしれません。

 

 

 

と、長々と話しましたが現行のリザーブに通じるものも感じられ面白かったです。

リザーブというウイスキーは飲み方をきちんと把握してから飲む、というスタンスも昔から変わっていないんだなぁ…となんだか変なところでツボに入りそうな体験でした。

 

 

・次回

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