なもなきアクアリウム

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【レビュー】#92 『シングルモルト余市 NA』は日本で独自に進化したスコッチライクなジャパニーズモルト。

こんにちは。もう一度、こんにちは。

 

ウイスキー福袋をひさびさに買いました。

来週くらいに開封記事をアップできればと思っています。

福袋爆死愛好家の方たちはいまから爆死を願っていてください。

 

ニッカ成分が少ないので補充の意味も込めて今回はこちら。

 

シングルモルト 余市 NA

SINGLE MALT  YOICHI

蒸留所名:余市蒸溜所(ニッカウヰスキー株式会社)

内容量:700ml

アルコール度数:45%

シングルモルト・ジャパニーズウイスキー

購入時価格:4,620円(税込み)

 

 

 

 

日本最北端の蒸溜所で作られるシングルモルト

 

余市としてのはじまりは1936年。だと思う…

ジャパニーズウイスキーの父である竹鶴政孝氏がサントリー(当時の寿屋)を退社後に北海道に工場を構えたのが1934年。

 

1935年にポットスチルが届き、1936年にウイスキーの製造を開始しています。

ちなみにそれまでの間はりんごジュースを製造・販売してウイスキーづくりを支えていました。

 

本場スコットランドで学んできた竹鶴政孝氏が目指したのは、やっぱりスコッチ。

北海道・余市の気候、環境はスコットランドに似た風土で理想の地でした。

 

大きな特徴としては、本場スコットランドでも2005年の「グレンドロナック蒸溜所」を最後に姿を消してしまった「石炭直火蒸溜」

 

蒸溜方式には2種類あって、先の「直火加熱」「間接加熱」があります。

直火加熱自体スコットランドでも一部の蒸溜所でしかおこなわれておらず、それに加えて石炭を用いた直火焚きとなるとごく稀な製法となるのです。

 

そういう意味では、今となってはスコッチよりもスコッチらしい製法で作られているウイスキーと言えるかもしれません。

 

今でも伝統を守って脈々と石炭直火蒸溜を受け継いでいるのはなんとも日本人らしいというか…ものづくりにかける情熱はジャパニズムに溢れているのをひしひしと感じます。

 

スクリューキャップです。

ニッカのスクリューキャップは丸っこくて好きです。

 

 

・公式評(ニッカウヰスキー公式サイトより)

重厚な力強さ、ピートと潮の香り。

凝縮された、余市モルトの本質。

香り:やわらかな樽熟成香と麦芽の甘さ、豊かな果実香の調和。穏やかで心地良いピート感。

味わい:オークの甘さとしっかりとしたピートの味わい。麦芽の香ばしさとオレンジのような果実の調和。

余韻:あたたかなオークの甘さとスモーキーさがゆっくりと持続する。

https://www.nikka.com/products/malt/yoichi_miyagikyo/

 

公式からかいつまんで書きましたが、公式サイトにはもっと詳細な解説が載っています。

 

 

・ストレートで飲んでみる

色 :やや明るいゴールド

香り:柑橘系の香りと燻製のようなスモーク感。

   重み厚みのあるどっしりとした香りの印象。

   たしかにハイランドモルトに通じるものがある。

味 :口当たりは優しい。ふわりとした麦の甘さ。

   燻ぶった焚き火のようなスモーク感。結構例えるのが難しい…

   ほぼ終わりかけの焚き火というか…

   果実っぽい酸味と共に余韻に長く残る。

 

 

・ロックで飲んでみる

香り:柑橘系の果実香が強くなる。

味 :香りの通り、酸味が強くなり果実的になる

   樽感と相まってスモークはやや強めに感じる。

   ちょっと押しが強い、かな。パワーがある

 

 

ハイボールで飲んでみる

味:ピーティな特徴が表に出てくる。

  加水でも崩れる様子はなくどっしりとよく伸びていく。

  ただせっかくの果実感は控えめになってしまう。

  余市として飲むのはもったいないかも。それでも美味しい

 

 

・総評

日本最北端の蒸溜所のシングルモルトはやっぱりスコッチライク。

 

余市の年数ものを飲んだことがないのでなんとも言えないけれど、年数を重ねてジャパニーズの独自性が出てくるのであればぜひ飲んでみたいという気持ちが大きい、かな…

ノンエイジながらハイランドモルトの10年ものくらいのポテンシャルは十分にある。と思う。

 

余市と言えば重厚なスモーキー感、と言われがちだけどかなりフルーティな要素が拾えるのが楽しい。

加水以降でスモーキーさやどっしりさが現れるのでそこらへんの変化も飲んでいて面白いと思った。

 

おすすめはふわりとした優しさが垣間見えるストレート。

もしくは重厚感が出てくる加水~ロックくらいで。

 

 

・所感

上でも書きましたが「あっスモーキーだけじゃないんだ!!(失礼)」という気付きが大きく、ニッカのウイスキーをもう一度飲んで余市の果実感を捉え直したくなる気持ちになりましたのよ。

 

冗長になるので上で特に言及しませんでしたが、余市はハイランド、キャンベルタウンスタイルで、宮城峡はローランド、スペイサイドスタイルとよく称されます。

 

公式ではド直球に「まさに日本のハイランド、余市。」と書かれています。

キャンベルタウンモルトは飲んだことが無いのでよくわかりませんが、たしかにハイランド的な要素は感じられますわね。

 

 

値段についてですが現在はだいたいどこでも定価で販売しているイメージですわね。

去年の今頃はなかなか手に入りづらいと記憶しているので供給量が増えたのか、買い占めている奴ら方々が去っていったのか…

 

 

・次回

asgsn.hatenablog.com

 

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