こんにちは。もう一度、こんにちは。
暑くなってくると冷房の効いた部屋でホットコーヒーが飲めるようになりコーヒーが美味しい季節になってきましたねえ(謎理論)
いつも通り無関係な話をしつつ今回はこちら。
山桜 安積蒸溜所 &4
ASAKA DISTILLERY &4
WORLD BLENDED WHISKY
製造元:安積蒸溜所(笹の川酒造株式会社)
内容量:700ml
アルコール度数:47%
ワールドブレンデッド・ウイスキー
購入時価格:4,400円(税込み)くらい
読みは「あさか」です。
安積&4の初出は2023年1月ごろ。
現在ではシングルモルトのリリースも行われている福島県は笹の川酒造・安積蒸溜所のモルト原酒を使用したワールドブレンデッドウイスキーです。
安積蒸溜所はもとより廉価帯はチェリーウイスキーからミドル帯はピュアモルト山桜まで様々なボトルがリリースされています。
また、詳細は他の文献に任せるとして黎明期の株式会社ベンチャーウイスキー(イチローズモルト)を支えたことでも有名ですね。
安積蒸溜所としての稼働は2016年11月から始まり、2019年12月には「安積ザ・ファースト」なる初のシングルモルトがリリースされているのですが現在に至るまでいまいち手に取りやすい商品が無く、かんじんの「安積原酒」の特徴がわからないままでした。
そんな中、安積蒸溜所の名前を冠する、販路が(それなりに)潤沢で、値段も手に取りやすい、というわかりやすく安積原酒の入門ボトルといえるものが発売されていました。
弊社の創業は明和2年(西暦1765年)。ウイスキーの製造免許は昭和21年(1946年)に取得し、現存する東北で最古の「ウイスキーメーカー」として製造を続けております。安積蒸溜所も蒸溜を再開し、原酒も順調に育ってまいりました。本品は、安積蒸溜所の原酒をキーモルトとして、世界各地の4か所の代表的なウイスキー原酒とブレンドいたしました。「安積蒸溜所&4」ブレンドをお楽しみください。
本品はノンチルフィルター(非冷却ろ過)、ナチュラルカラー(無着色)としておりますので、まれに保存温度の変化などにより、沈殿物や濁りが出る場合がございますが、製品由来の者でございますので品質等に影響はございません。
と、いうわけで日本の安積蒸溜所+スコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアンの合計5か所の蒸溜所の原酒のバッティングです。
五大ウイスキーを5種ピッタリ揃えているのは意外と初なのかもしれません。
原料原産地名が「国内製造(モルトウイスキー)」となっているので安積原酒の含有比率が最も高いと(たぶん)読み取れます。
入手自体は2023年2月ごろ大阪に行った際に購入していたのですが開栓する機会が無く(このボトルに限った話ではありませんが…)出番を待つこと1年以上経っていました。
そんな中で2024年5月に東京ワイン&スピリッツコンペティション(TWSC)の結果が発表され、安積蒸溜所&4は
「ワールドブレンデッドウイスキー/ブレンデッド部門:金賞」
「ワールドウイスキー部門:ベストカテゴリー賞」
「ワールドブレンデッドウイスキー部門:ベスト・コストパフォーマンス賞」
と単独で賞を取りまくっています。
個人的には今いちばんアツいワールドブレンデッドウイスキーだと思います。
小さい文字なのは個人的な感想だからです。
安積蒸溜所特有の仕様なのかもしれませんが、ペリペリする点線のアレがありません。
どうやって開封すればいいのかわからず10000000時間くらい使いました。
マルスに続くラミネートコルクです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
・公式評(笹の川酒造株式会社公式サイトより)
安積蒸溜所原酒をキーモルトとし、世界5大産地のウイスキー原酒をブレンドしたワールドブレンデッドウイスキー。メープルシロップを思わせる甘い香り、クリーンで優しいハーブ香が心地よく、スムースに口中に広がる厚みのあるモルトの味わいや香ばしさとともにスパイシーな味わいも感じられ、モルト由来の甘みとやわらかな樽感、ややスモーキーな余韻がお楽しみいただけます。
https://www.sasanokawa.co.jp/asaka-distillery/contents/productsDetail/currentProducts.html#01
・ストレートで飲んでみる
色 :明るめなゴールド
香り:形容しがたい未知の感じ。やや乳製品っぽい香り。
しばらくするとエステリーな果実香。やや湿った香り。
アルコール刺激は強し。
味 :第一印象は木感が強い。ほんのりとはちみつ感。
それと湿り気のある柑橘っぽいフレーバー。
バーボン樽熟成中心のスタンダードど真ん中な構成に見える。
・ロックで飲んでみる
香り:柑橘系の香りが強く拾えるようになる。
それとバーボンっぽいバニラ、樽感。
味 :フルーティで、柑橘っぽくて、ビター。
この味わいのどれかが安積モルトっぽさなのかな?
加水で急に個性が出だす。
レモンピールと形容してもいいくらいの酸味と渋み。
・ハイボールで飲んでみる
味:柑橘系を強く感じるハイボール。
フルーティで飲みやすい。
奥にははちみつっぽさは垣間見え、軽快かつほんのり甘い出来上がり。
・総評
加水でがらりと変わる。
ワールドブレンデッドの常として、バーボン感が強いのは自然の摂理として加水で(おそらく)安積モルトが個性を発揮しだす印象。
逆にスコッチ・アイリッシュはどこ…?と言った感じで安積モルトがあくまでも主役という軸がブレていないしっかりとした構成。
若干の短熟のきらいがあるものの、それはそれとして原酒同士が調和していてそのあたりはワールドブレンデッドらしさが出ている。
バーボン樽熟成原酒が多いのか本当にスタンダードな飲み口で、飲む場面を選ばない万能選手なブレンデッド。
おすすめはロック。
(おそらくは)安積モルトの柑橘っぽさ、クリーンさが主体となっており他にはない個性という面で突出していて飲んでいて面白い。
・所感
碧やイチローズモルト&グレーンホワイトラベルとは違い、明らかに安積原酒の存在が感じ取れる、主役を明確に据えたワールドブレンデッド。
これで安積モルトと勝手に感じているモノが違う原酒だったら…処刑ですわね…
ただ、それを抜きにしても他のワールドブレンデッドには無い個性があり上の碧やイチローズ白と同じくデイリー用のウイスキーとして使い勝手が良さそうな印象です。
ちなみに、公式サイトには「月3000本の生産」と書いてあります。
年間出荷本数にすると…36000本。
ちなみに、アサヒビール公式サイトによる「竹鶴 ピュアモルト」の年間出荷本数は「(22000ケース×1ケース12本=)264000本」らしいです。
市場を見たうえでふつうに考えたらそんなこと絶対にありえない(幻のポケモンと化してる)ので現在はもっと減産してるはずではありますが、それを考えると安積&4って結構な少数生産なんですね。
・次回
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