こんにちは。もう一度、こんにちは。
朝倉あさげ著『世界一やさしいウイスキーの味覚図鑑』、発売中です!
こっちはこっちで変わらずやっていきます。なにとぞ…
今回はなんで書籍に入れなかったのかと今更感漂うこちら。
バンクホール
BANKHALL
BRITISH SINGLE MALT WHISKY
蒸留所:バンクホール蒸留所(HALEWOOD ARTISANAL SPIRITS)
内容量:700ml
アルコール度数:40%
購入時価格:2,450円(税込み)
次に来ると言われている?期待の新星。
はじまりは2019年。
1790年設立と相当古い歴史を持つ、かつてイギリス・リバプールに存在した同名の「バンク・ホール蒸留所」の名前からブランド名がつけられました。
インターネットでは「イギリスの湖畔地方にあるウィロウ蒸留所で作られる」という情報が半ば定型文のようになっていたので怪しいと思ってざっと調べてみたところ、ウィロウ蒸留所という施設は全く引っ掛かりませんでした。
また、バンクホール公式サイトでは「バンクホール蒸留所」という呼称を使用しておりこちらはインターネットで調べてみるとビジターセンター的な施設が確認できますが、蒸溜設備やボトリング等を行う施設の大きさでは到底なく、さらに裏手にはその約5倍の施設面積の「バイクの修理屋」がくっついて建っています。
というわけで、ぶっちゃけ謎です。
さて、このブック型のボトルシェイプに「B」から始まるとなると真っ先に連想するのが「バスカー」ですよね。
しかも今年(2024年)の7月にリニューアルし、バスカー側からむしろ寄っていっているという…
リニューアルに伴い、構成原酒シリーズであるシングルモルト、シングルポットスチル、シングルグレーンのイメージカラーが各々鮮やかめな色からちょっと落ち着いた暗めの色に変わりましたね。しかもコルク栓になっているじゃあないですか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
…さて、バンクホールに話を戻すと現行ラインナップは
・BRITISH SINGLE MALT
・BRITISH MALTS
・DISTILLER'S CUT SINGLE MALT
の3種が展開されています。
ブリティッシュモルツはイングランドのバンクホール蒸留所、ウェールズ(※)のアバーフォールズ蒸留所、スコットランドのボニントン蒸留所それぞれのモルトのブレンドであるいわゆるブレンデッドモルト。
ディスティラーズカットシングルモルトは上位版シングルモルト…といったところでしょうか??
※イングランド西部、ブリテン諸島の中心あたりに存在する。次期英国王(王太子)が呼ばれるプリンス・オブ・ウェールズのウェールズ。
今回のブリティッシュシングルモルトのスペックはバーボン樽(75%)、アメリカンヴァージンオーク樽という名のアメリカンホワイトオークの新樽(25%)で構成されているそうです。
そして、コルク栓です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
・公式評(バンクホール海外公式サイトより)
A superbly approachable and versatile single malt whisky, launched in 2023 to challenge traditional Irish, American and Scotch Whisky blends.
Matured in a mix of ex-Bourbon and American Virgin Oak casks that lend rich aromas of vanilla and toffee to the liquid. Great for sipping or mixing into longer serves – the perfect all-rounder.TASTING NOTES
COLOUR: Deep gold
NOSE: Toffee, poached pears, candied citrus fruits, fig and sultanas, balanced by sweet vanilla
PALATE: Rich and full bodied, dried fruit and cinnamon, dark chocolate and espresso
FINISH: A long, dried fruit finish with subtle spice
伝統的なアイリッシュ、アメリカン、スコッチ・ウイスキーのブレンドに挑戦するため、2023年に発売された。
バーボン樽とアメリカン・バージン・オーク樽の混合樽で熟成され、バニラとトフィーの豊かなアロマを醸し出している。シッピングにも、ロングサーブにも最適な万能ウイスキー。テイスティングノート
色: ディープゴールド
香り:トフィー、ポーチドペアー、砂糖漬けのシトラスフルーツ、イチジク、サルタナ、甘いバニラのバランス
味わい リッチでフルボディ、ドライフルーツとシナモン、ダークチョコレートとエスプレッソ。
フィニッシュ:ほのかなスパイスとドライフルーツの長い余韻。(DeepL)
https://bankhallwhisky.com/product/british-single-malt/
(海外サイト)
シッピングって、なに?と思って調べてみたら「すするように飲む」とか「舐めるように飲む」とかいう意味だそうです。
ロングサーブって、なに?と思って調べてみたら、わかりませんでした。(は?)
(追記)
コメントにて教えていただきました!ありがとうございます!!
long:「〈酒が〉深いグラスに入れて供される;〈酒などが〉多量のソーダ水などで割った」
という意味だそうです。
とにかく、どうやっても美味しく飲めますヨという公式説明ということですね。
・ストレートで飲んでみる
色 :やや濃いゴールド
香り:ほんの少し硫黄感のある柑橘っぽさ。
洋梨のようなフルーティさもときどき垣間見える。
あとは少々ケミカルというか…人工的なシロップの甘い香り。
サントリーの赤いやつっぽい。
アルコール刺激はほぼなし。
味 :なんとな~くバーボン樽由来のはちみつやらバニラを感じる甘さ。
・・・と、嚥下した瞬間、シナモンスティックを
間違って咥えてしまったかのような香りがぶわっと広がる。
洋菓子のように甘く、スパイシー。
チョコレートのニュアンスも何となく感じられる。
・ロックで飲んでみる
香り:香りの印象はさして変わらない。
硫黄っぽい柑橘というか、グレンタレットを思い出す。
時間が経つとちょっと甘い香りが開いてくるような…?
味 :バーボン樽っぽい南国フルーツ的なエステリーさ。
香り高いミルクチョコレートのような香味も感じられる。
妙と言えば妙。総じて、不思議。
・ハイボールで飲んでみる
味:シングルモルトながらかなりあっさりめな味わい。
そしてやはり人工的シロップっぽくケミカルっぽい。
硫黄っぽい柑橘感もまだ居る。
それでもフルーティ感やチョコレート感といった
陽の者の要素もありそれらと拮抗している。そんな感じ。
・総評
意外と尖っている。
次に流行るウイスキーとして注目されている(いた?)ものの、一癖あり人を選ぶところがかなり大きいように感じる。
当ブログで散々グレンタレット感と形容するあの硫黄っぽい柑橘感、これに慣れていても人工的シロップのような取ってつけたような甘さが今度は気になって夜も眠れなくなる、なった。
ただ、ストレートにおいてはぶわっと広がるシナモンの香りや、ミルクチョコレートのニュアンスなどアフタヌーン・ティー的なスイートな側面が大きく出るので飲むならコレかなぁ…?
ハイボールは結構薄まってしまうのでそこまでおすすめではないと思った。
上述の通り、おすすめはストレート。
上で変な書き方したせいで大事なことなので2回言ったみたいになってしまった…
・総評
グレンタレット感って言うの、もうやめなよの会会長です。
なんでしょう、なんて言えばいいんですの?
あのハイランド系特有のくぐもったような柑橘っぽいほのかな硫黄っぽい感じ…
パヒューム香とはちょっと違う気がするんだけれど、実はパヒューム香とか…?
こう…バチっとくる用語があればぜひこっそりとお教えくださいませね。
バンクホールにつきましては、熟成感が出れば脇が固まる印象ですわね。
強烈なシナモン感は大きな個性で、上で言ったようにさながらアフタヌーンティーのようなウイスキーという趣きでじつに英国らしさを感じます。
日本ではまだ見かけませんけれど、ディスティラーズカットが上陸して値段次第では跳ねるウイスキーになるかも?しれません。引き続き期待大です!!
海外通販サイトの値段比(シングルモルト:ディスティラーズカット)でいくと日本円にして3,300円くらいになるんですけれど…んなこたぁないですわよねぇ…???????
というか今回文字数多いですわね…やめます。
・次回
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