こんにちは。もう一度、こんにちは。
朝倉あさげ著『世界一やさしいウイスキーの味覚図鑑』、発売中です!
ブログにも載っていないような内容がてんこ盛り(当社比)です!!!たぶん!!!!!
今回はついにやってきてしまったこちら。

トップバリュ ベストプライス 薫WHISKY
TOPVALU BESTPRICE ”Kaoru WHISKY”
製造元:南アルプスワインアンドビバレッジ株式会社
内容量:700ml
アルコール度数:40%
ブレンデッド…・・・?
購入時価格:1,408円(税込み)
「あの」ウイスキーが帰ってきた…!
そもそもは「トップバリュ ベストプライス 樽WHISKY 3年熟成樽仕込み」というものが2019年7月ごろに出現しているのがはじまりです。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=2980951248643352&id=113380062067166&set=a.141302099274962
これが、朝倉あさげも愛読しているウイスキー専門誌であるところの「Whisky Galore vol.16(2019年10月号)」にて、専門家のみなさんがウイスキーをテイスティングレビューするという巻末にある連載企画にて取り上げられ
「カンカン照りのアスファルト」
やら
「前衛的」
などと表現されたのがインターネットで話題になりました。
トップバリュのウイスキーについてはかねてより一部で酷評され話題になっていたのもあり「トップバリュウイスキー」という大きなくくりで一緒くたにされがちですけれど、こちらは一応上位モデルです。
(アルコール度数37%の現・「スナズウイスキー」がYouTuberにおもちゃにされている「トップバリュウイスキー」として一般的に認識されてることかと思います、たぶん。)

で、「薫WHISKEY」に話を戻すと、姿かたちは以前の「3年熟成樽仕込み」と酷似(というか同じボトルシェイプ)しているものの
・年数表記の消滅
・WHISKY→WHISKEY(公式サイト)
・価格の上昇
と、若干の仕様変更が行われています。
個人的にはWHISKEY表記になったことが一番の謎ポイントで、アイリッシュかカナディアンウイスキーが含まれている…こともなくスコッチ・グレーンの使用のみが言及されていてもやもやします。
追記:ラベルをよく見たらきちんとWHISKYでした。単純にイオンのサイトでの誤植なだけっぽいです!早とちりで勝手にもやもやしてただけの愚か者ですごめんなさい!

「スコットランド産のシングルグレーンをメインに複数の原酒をバランスよくブレンドしました。」というあまり見かけない文言とともに、「この(ブレンド後の)原酒を再度熟成させる~…」と、マリッジを示唆する工程を挟んでいるところが大きな特徴です。

冒頭のスペック紹介ですでにネタはバレているのですが、製造元は「南アルプスワインアンドビバレッジ株式会社」さんです。
同社は「蜂角鷹」(はちくま)、「角鷹」(くまたか)、「笛吹」(ふえふき)と言ったウイスキーを自社でもリリースしています。
一部の愛好家には「南ア」で通じたりするそうです。

メタルスクリューです。
・公式評(イオングループトップバリュ公式サイトより)
https://www.topvalu.net/items/detail/4549414362930/
ちなみに公式サイト内での評価はすこぶるいい感じです・・・???
・ストレートで飲んでみる

色 :濃いめのゴールド
香り:ほんのりと感じるバニラ香。
あとは…穀物感?
吸いすぎると突如として牙を剥くアルコール感…
ただ、前評判よりは悪くはなさそうな感じ。
味 :バニラとはちみつの甘さが主張している目の前で、
物凄いアルコール感の嵐が大暴れしている。
ついでに、舌にはコケのような土と植物めいた
苦さと渋さがどっしりと不法占拠する。
飲み込んだ瞬間、喉から食道から胃までチリチリと
焼けるような麻痺してるような刺激が走り、舌がしびれる。
もしかして山椒入ってる?
・ロックで飲んでみる

香り:バーボンっぽいバニラ香。
ふつうのウイスキーっぽくなる。香りは。
味 :やっぱり甘さはあるものの…
この謎の樽感なのかよくわからない渋み苦みが
舌の上にじっとりと残る。
ついでに舌もしっかり痺れる。四川料理?
・ハイボールで飲んでみる

味:ほんのりバニラっぽい甘み。
それでも山椒めいたスパイシーさがすぐそこに潜んでいて怖い。
ただ、ハイボールにしても薫る樽、バニラの香りは印象的。
実際ハイボールにしてみると飲み物として飲める。
・総評
ウイスキーについて真面目に考えさせられる1本。
かなり強力にバーボン樽の香りが付けられていてファーストインプレッションはそういった甘いスイーツのような香りに意識が持っていかれる…もののわりかしすぐに棘のある苦み、渋みが襲い掛かってくる。
ついでにアルコール感も大暴れしだし花椒のような痺れ系のステータス異常まで残してくる搦め手まで完備。
これってウイスキーの感想だよね?
わたしたちは、何を以ってウイスキーと感じているのだろう…?
ウイスキーをウイスキーたらしめているものとは、いったいなんなんだろう…?
ウイスキーだけを飲んでいるとわからないことを考えてしまう。
ただ、ハイボールまで行くとそのデメリットもかなり薄まりバーボン樽由来の甘い香りがふわりと薫る、名前の通りのハイボールとなる。
ハイボールでなら悪くないと思うのでどうしてもおすすめするならそれ。
・所感
新体験という面ではほんとうに新しい視点を与えてくれます。
…まぁ、やりすぎなくらい身構えたうえで飲んだのもあるし、想定していたほどひどいものではなかったのもあるしで飲んだ後に脱力しました。
安堵の脱力です。
思ったより攻撃力が高くなかったし、思ったより攻撃性が高かったというか…
ウイスキーっぽいところはあるものの、ウイスキーっぽくないところもしっかりと存在し、ある種の前衛芸術のようなものを感じます。
過去にブログにて取り上げたサントリー深淵シリーズと比較する(比較するな)と、ハイボールではなんとなく無味無臭の無害化して飲めるあちらに対して、こちらはハイボールでもしっかりとした香味を持ち続けている点と、それ以外(ストレート、ロック)で飲んだ時に「はい、はずれ」と言わんばかりに熾烈な攻撃を仕掛けてくる点が大きく異なっています。
面白かったのでスナズウイスキーも飲んでみようと思いました。
おわり
・次回
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