なもなきアクアリウム

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【レビュー】#168『フォアローゼズ イエロー』は甘い情緒を内包した気品あるバーボン。

こんにちは。もう一度、こんにちは。

 

当ブログ、スコッチとジャパニーズ以外が弱すぎる(アメリカン(9)、アイリッシュ(9)カナディアン(1))のでバーボン強化パッチが入ります。

今回はこちら。

 

フォアローゼズ イエロー

Four Roses YELLOW

蒸溜所:フォアローゼズ蒸溜所

内容量:700ml

アルコール度数:40%

バーボンウイスキー

購入時価格:1,400円(税込み)くらい

 

 

 

 

ロマンチックな逸話を持つバーボン。

 

はじまりは1888年

1920年~1933年の間に施行された禁酒法ではフランクフォート蒸溜製造社という企業と合併することで、「薬用」ウイスキーの製造の名目で法に抵触せず稼働を続けていた数少ない蒸溜所です。

 

1943年にはあのシーグラムに買収され、ブレンデッドウイスキーアメリカン)としてアメリカ国内で成功を収めました。

…のにもかかわらず、シーグラム社はアメリカ国内での販売を停止しアジア・欧州市場への販売に注力をするという方針に切り替えます。

結果、ジム・ビームに次いで世界で最も売れているバーボンとなったそうです。

 

2002年には日本のキリンビールがフォアローゼズを取得。

それ以前よりキリンビールはアジア圏での正規販売代理店でした。

 

キリン傘下となったフォアローゼズは再びケンタッキー・ストレート・バーボンとして売り出され今日まで至ります。

一方でアメリカ国内では現在でもケンタッキー州以外での販売はされていないそうです。

 

冒頭の逸話はボトルのラベルにも書かれています。

全然関係ない話ですが、公式的には「フォアローゼズ」と最後が濁っていますが個人的には「フォアローゼス」呼ばわりが好きです。

 

ちなみに、「フォアローゼズ・イエロー」というのは俗称で、公式的には「フォアローゼズ・バーボン」、即ちフォアローゼズそのものの呼び名と同じです。

原酒は平均5年以上熟成されたものを使用されていて、マッシュビル2種×酵母5種から成る同銘柄最多の10種類の原酒のヴァッティングです。

 

 

・・・と長々と語りましたが、国内では言わずと知れたバーボンですので、語るよりとりあえず飲め!安いから!などという「飲んで学ぶ勉強法」でもとっつきやすいバーボンと言えます。

 

METAL SCREW.

 

 

・公式評(キリンビール公式サイトより)

香りと個性の異なる10種の原酒を絶妙なバランスでブレンドして生まれる花や果実を想わせる華やかな香りとまろやかな味わいが特徴のフォアローゼズのエントリーラベル。

 

味わい

すっきりと柔らかでなめらかな味わい、フレッシュフルーツ、ほのかな洋梨とアップルの味わい。

香り

フルーツ、フローラル、やわらかなスパイスと蜂蜜の香り。

フィニッシュ

柔らかく心地の良い長さの余韻。

https://www.kirin.co.jp/alcohol/whisky_brandy/fourroses/products/fourroses.html

 

 

・ストレートで飲んでみる

色 :深みのあるゴールド

香り:バーボン然としたバニラと溶剤臭。

   ただ、そこまで溶剤臭が強くなく、嫌味が無く、上品。

   アルコールアタックもなく品格のあるアロマ。

味 :樽の渋み、草っぽさを感じるフローラルさ。

   穀物由来の甘さも優しく感じる。

   余韻にはやはり花を思わせるフローラルさが抜けていく。

   

 

・ロックで飲んでみる

香り:湿った木、溶剤感が少し増す。

   紙っぽくもある?奥のほうに甘いバニラの香り。

味 :癖を感じさせないスムースさ。

   余韻に渋みがやや来るもののこれはアリ。

   甘いものが欲しくなる。

 

 

ハイボールで飲んでみる

味:ここにきて甘さが引き立ってくる。

  当然、飲みやすさで言えば随一。

  薄まらずにしっかりと主張が残っている。

 

 

・総評

軽やかながら芯の強さを感じる。

 

4本の薔薇の花言葉「死ぬまで気持ちは変わらない」

そんな強い意志を感じずにはいられないバーボンではありますけれど、その実あじわいは割とすっきり。

すっきりなんだけど、薄くないという一見相反したような属性ですが、水で割っていくと甘みがどんどん出てくるタイプ。

 

華やかさと、棘のような樽の渋みが両立していて、まさしく薔薇を思わせる。

 

おすすめはロック。

余韻の渋みが全体を引き締めていて美味しい。

甘くスムースになるハイボールも大いにアリ。

 

 

・所感

花の香りってプラシーボでしょ…?と考えるのはロマンが無いですわねぇ

 

事実、そんなふうに考えていた時期が、わたくしにもありました。

・・・実際花のようなアロマはウイスキーにおいては珍しくなく、フォアローゼズという名前に引っ張られて言われてみれば花のような香りが…などという先入観なしに考えても花の香りのニュアンスを感じてもおかしくないのです。

種を限定して薔薇の香りとか言い出すとちょっとオカルティズムですけれど…

 

オカルティズムとか大層失礼なことを言いましたけれど、逸話を知ったうえで、薔薇に思いを馳せながら飲むという行為は尊いし、そのうえで薔薇を香りを感じるのならそれは素晴らしいものだと思います。

適当に飲むのも良いですけれど、いろいろ考えながら飲むとウイスキーはもっとたのしいですよ・・・

 

 

・次回

まだ

 

・前回

asgsn.hatenablog.com