なもなきアクアリウム

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【レビュー】#174『サントリー ワールドウイスキー 碧 Ao』は青の世界へいざなう、未経験の波が押し寄せる独創性。

こんにちは。もう一度、こんにちは。

 

6月に入りました。

6月と言えば、梅雨、梅雨と言えば、雨、雨と言えば、(こじつけ)

 

そう…といえば、こちら。

 

サントリー ワールドウイスキー 碧 Ao

SUNTORY WORLD WHISKY Ao

製造元:サントリー

内容量:700ml

アルコール度数:43%

ワールドブレンデッド・ウイスキー

購入時価格:5,500円(税込み)くらい

 

 

 

 

五つの原酒が集まって

碧のブルーになるんです

 

初出は2019年。

世界五大ウイスキーであるところのスコッチ、アイリッシュアメリカン、カナディアン、ジャパニーズすべてを使用したブレンデッドウイスキーです。

 

ワールドブレンデッドの歴史を遡ると、1989年に当時のキリン・シーグラム社が「TEN DISTILLERY」というスコッチ、アメリカン、カナディアン、ジャパニーズの4大、10蒸溜所のブレンデッドを販売していたのが始祖と言えます。

また、有名どころであるイチローモルトのブレンデッドラインも世界5大ウイスキーの原酒をブレンドして作られています。

 

当時のビームサントリーが世界5大ウイスキー蒸溜所を所有していることもあり、自前でワールドブレンデッドを製造できるのでやってみた的なボトルです。

ちなみに、ボトルの形は5大ウイスキーにちなんで五角形になっています。

 

使用原酒は、

アードモア蒸溜所(スコットランド

グレンギリー蒸溜所(スコットランド

クーリー蒸溜所(アイルランド

ジムビーム・クレアモント蒸溜所(アメリカ)

アルバータ蒸溜所(カナダ)

山崎蒸溜所(日本)

白州蒸溜所(日本)

 

聞き慣れない名前の蒸溜所について・・・

クーリーはカネマラを作っている蒸溜所です。

アルバータに関してはオフィシャルボトルをここ最近見ていない気が…

 

オフィシャルボトルのキャラクターに限って言えば、アードモア、カネマラ、白州はスモーキータイプであるので割かしスモーキー寄りなのかな?と思っていましたが、案の定2022年にAoのピーテッドタイプである「SMOKY PLEASURE」が限定発売されていました。

されていました。(過去形)

 

サントリー汎用の形の碧いプラスクリューです。

 

 

・公式評(サントリー公式サイトより)

甘く華やかな香りとまろやかな口当たりながら厚みのある味わいで、後に心地よいスモーキーさが感じられる、さまざまな表情を持ったウイスキーです。世界5大ウイスキーの個性が織り成す、複雑で豊かな香味の変化をお楽しみいただけます。

色:琥珀

香り:華やかでバニラ様やパイナップルのようなフルーティーなトップノート。クリーム系の甘さと濃厚でウッディな香りが続く

味わい:滑らかで甘やかな飲み口。次第にスモーキーやシナモン様のスパイスが感じられる

余韻:甘さとスモーキー、スパイシー・ウッディが複雑に絡み合いながら心地よく続く

https://www.suntory.co.jp/whisky/ao/

 

 

・ストレートで飲んでみる

色 :やや明るい琥珀

香り:バーボン然とした甘い溶剤感が支配的。

   な、もののところどころにそれ以外のスモーキーだとか

   青りんご的なフルーティな要素も見えてくる。

   君は一体誰なんだと脳がバグりだす。

味 :やっぱり樽感強めのバーボンっぽいなぁ…と思いつつ

   次の瞬間には軽やかだったりスモーキーだったり

   品の良い大人しさだったりとコロコロと表情を変える

   余韻は完全にバーボンのそれではなく、スコッチや

   アイリッシュの小気味いいフローラル感。

 

 

・ロックで飲んでみる

香り:やはりバーボンのニュアンスが支配的なものの、

   バーボンだけではないモルト香も感じられる。

味 :ロックはバーボン感が強まる。

   舌がきゅっと閉まるようなビターさはバーボンそのもの。

 

 

ハイボールで飲んでみる

味:とうとう形容しがたくなった…

  五大ウイスキーが溶けあって、酸味があって、甘くて、

  やや樽感のある、余韻の優しい、穀物っぽい…

  そんなハイボールと化している。

 

 

・総評

なんとも筆舌に尽くし難い、経験したことのないこの感じ。

 

大まかに、大雑把に、端的に言うならバーボンなんだけれど、それだけではなくてきちんと他の原酒の個性も浮き上がってくるように構成されているように感じた。

海外原酒の使用を開き直ってブランドにした意欲作かと思いきや、かなり作りこまれていることがわかりました。

カナディアンとアイリッシュの特徴はどこ?と言われると返答に困っちゃうので言わないでね。

 

また、味わいも安っぽくなく余韻が長く熟成感をほどほどに感じるような構成になっており、確かにこれまでにないウイスキーとしての存在感をしっかりと放っています。

 

五大ウイスキーとしての要素を感じ取りたいならストレート。

ハイボールもそれなりにおすすめします。

 

 

・所感

…と、ここまで触れてきませんでしたが最大のネックは価格です。

 

当初の販売価格は5,500円(税込み)。

2024年4月からの値上げで6,600円(税込み)となりさすがに気軽に手が出せるようなものでは無くなってきたように思えます。

もともとそうでした?知りませんわね…

 

ただ、飲んでみれば値段なりの原酒をきっちりと用意している印象で、飲む前までに漠然と抱いていた「抱き合わせ常連」などというマイナスイメージはそれなりに払拭できました。

 

未飲ですが、この構成ならSMOKY PLEASURE」は確かに持ち味を十二分に活かせて美味しいでしょうねえ。

たぶん。。。

 

 

・次回

asgsn.hatenablog.com

 

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