なもなきアクアリウム

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【レビュー】#163『ブラックボトル10年』は過不足の無い、複雑で巧みなブレンデッド。

こんにちは。もう一度、こんにちは。

 

今回の話がちょっと掠るので話しますが、とっくの昔にWWA(World Whiskies Awards)の2024の結果が出ていました。

さりげなく見てはいたものの、言及するほど興味のあるボトルが無く…というか誰!?ってウイスキーが増えてきましたね。不勉強なだけだとは思いますけれど…

 

今回はそのWWAでもカテゴリーウィナーを取ったこちら。

 

ブラックボトル 10年

BLACK BOTTLE AGED 10 YEARS

製造元:ゴードン・グラハム・アンド・カンパニー社

内容量:700ml

アルコール度数:40%

ブレンデッド・スコッチウイスキー

購入時価格:3,300円(税込み)

 

 

 

 

✟漆黒の美酒✟

 

「ブラックボトル」自体の初出は1879年と歴史があり、当時のアイラ島全蒸溜所(7か所)のモルトを使用しているという触れ込みで人気を博しているボトルです。

一方、今回の10年の初出は2020年と比較的最近です。

 

製造元のゴードン・グラハム社はブナハーブンよろしく二転三転と買収されており、(中略)エドリントングループバーン・スチュワート社ディステル社

と、ブランドの所有が動きまくっています。

 

そういう縁もあってかブナハーブンとは切っては切れない関係性があり、ブラックボトルのモルト比率がブナハーブン95%というところにも表れています。

 

上でアイラ島7か所のモルトを使用していると言いましたが、途中からキーモルトはディステル社が所有するディーンストントバモリーレダイグブナハーブンへと変更されているそうです。

 

In 1879, Gordon Graham had an ambition to create a blended Scotch whisky without compare...the 'perfect dram' if you will. Today, the same pursuit of perfection can still be found within every drop of THE BLACK BOTTLE

Celebrating the first new release in almost 20 years, our Black Bottle 10 year old stays true to the brands perfectly blended history.

Fully matured in American oak casks, this exquisite Scotch keeps the rich full flavour of its 1998 namesake, whilst introducing malty and woodier notes to the palate.

TASTING NOTES

Colour...Rich Amber Gold
Nose...Smoky background, with notes of honey, fruit and vanilla.
Palate...Sweet rich oak, soft fruit, balanced with a smoky spiciness.
Finish...Long & lingering, with a sweet peppery finish.

1879年、ゴードン・グラハムは比類なきブレンデッド・スコッチ・ウイスキー......言うなれば「パーフェクト・ドラム」を造るという野望を抱いていた。今日でも、完璧を追求する姿勢は、THE BLACK BOTTLEの一滴一滴に息づいている。

約20年ぶりのニューリリースとなるブラックボトル10年は、ブランドの完璧なブレンデッドの歴史を忠実に再現しています。

アメリカンオーク樽で完全に熟成されたこの極上のスコッチは、1998年の名前の由来であるリッチでふくよかな風味を保ちつつ、モルティでウッディなニュアンスを口中にもたらします。

テイスティングノート

色...リッチ・アンバー・ゴールド
香り...スモーキーな背景に、ハチミツ、フルーツ、バニラのノート。
味わい...甘いリッチなオーク、ソフトなフルーツ、スモーキーなスパイシーさとのバランス。
フィニッシュ...余韻が長く、コショウのような甘いフィニッシュ。(DeepL)

 

短剣?を握る手が描かれたスクリューキャップです。

 

 

・公式評(ブラックボトル海外公式サイトより)

BLACK BOTTLE 10 YEAR OLD

Islay in a bottle. Ripe pear and green apple slice crisply through biscuity caramel and charred embers.

UP FRONT
Ripe, juicy pears swirl on waves of rich peat smoke and oak.
FEARLESS FLAVOUR
Sabres of sour, sweet, sea-green apple slice crisply through biscuity caramel.
THE PAY OFF
Charred embers and deep, dark smoke peppered with sprays of sea-salt.

ブラックボトル 10年

ボトルに入ったアイラ。熟した洋ナシと青リンゴが、ビスケット状のキャラメルと焦げた燠火の中を鮮明に切り裂く。

前面
熟したジューシーな洋ナシが、豊かなピートスモークとオークの波に乗って渦を巻く。
大胆不敵な風味
酸味と甘みのある青リンゴが、ビスキュイキャラメルの中を鮮明に切り裂く。
ザ・ペイ・オフ
焦がした燠火と深く濃いスモークに海塩のスプレー。(DeepL)

https://blackbottle.com/products/black-bottle-10-year-old

 

アホなのでUP FRONTだとかTHE PAY OFFの意訳ができませんがトップノートだとか余韻だとかのニュアンスかと思います。。。

 

 

・ストレートで飲んでみる

色 :深みのあるアンバーとゴールドの中間点。

香り:スモーク感が感じられる。がっつりではない。

   ほのかにしっとりとした潮気それと甘めなバニラ香。

味 :非常になめらか。するりと舌を通り抜けていく。

   余韻にほどよい潮気とスモークさを残す。クール。

 

 

・ロックで飲んでみる

香り:煙の中にはちみつが見えてくる。

   いや、結構はちみつが出てくる。

味 :甘みが大きくなる。スモークさは…やはり余韻に。

   ハイランドパークを思い出すバランス感。

 

 

ハイボールで飲んでみる

味:なかなかに軽快…クリーミーな印象。

  すっきりフルーティで飲みやすい。

  スモーク感は…どっか行った。

 

 

・総評

何かが突出してるでもなく、何かが足りないわけでもなく、さりげなく、気の利いた手さばきが見える。

 

ブナハーブン含有量95%に違わずやや潮、ややスモーキー、そしてフローラルでいてはちみつという特徴が良く表れている…と思う。

また、レダイグがアクセントを加えているのか少しの土草感もある。

 

ジョニ黒とかバラ12年とはまた違った個性があり、要素を拾っていくのが面白い、しみじみ飲めるウイスキー

 

おすすめは要素がしっかり拾えるストレート。

もしくはクリーミーかつ熟成感を味わえるハイボール

 

 

・所感

こう、いぶし銀的なウイスキーって好きなんですわよね。

 

ブナハーブンがまさしくそれで、他のアイラモルトのような強烈な個性はないものの、どこに置いても問題を起こさず仕事ができる、そんな信頼を置けるようなウイスキーは素晴らしいです。

そのせいか普段着目しづらいのですけれど、ふとした機会に飲んでみるとやっぱりいいですわよねェと褒めちぎってしまうんですわよね。

 

そんな一種の穴場、ブナハーブンも12年は今や7,000円、ブラックボトル10年でさえも4,300円くらいするというなかなかの地獄が眼前に広がっています。

ブナハーブンの話に終始したような気がしますけれど、ブラックボトル10年、WWAで評価されるだけのことはある複雑だけどバランスの取れた、巧みなウイスキーでした。

 

 

・AIが考えたタイトル候補

地獄のような価格!ブナハーブン12年と比較したブラックボトル10年の実力 #ブラックボトル

地獄のような価格はシンプル悪口なんだわ

 

地獄の価格!ブナハーブン12年 VS ブラックボトル10年 #ウイスキー

アニメのサブタイみたいなノリで勝手に戦わすな

 

 

・次回

asgsn.hatenablog.com

 

・前回

asgsn.hatenablog.com