なもなきアクアリウム

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【レビュー】#164『サントリーウイスキー ホワイト』は良い意味で期待を裏切る、国産ウイスキー界の生きた化石。

こんにちは。もう一度、こんにちは。

 

去年に量り売りシリーズをレビューしていたのですが、「撮り溜めのまま世に出していないもの」がまだ4本あります。

どれもちょっと捻った感じのボトルですが、写真も撮ったし…レビューも捻出したし…でお蔵入りにするのはあまりに勿体ないと思うので近いうちに出すかもしれません。よしなに。

 

今回はきちんと今年に入ってから撮ったこちら。

 

サントリー ホワイト

SUNTORY WHISKY WHITE

製造元:サントリー株式会社

内容量:640ml

アルコール度数:40%

ブレンデッド・ジャパニーズウイスキー

(ジャパンメイドウイスキー

購入時価格:1,180円(税込み)

 

 

 

 

日本最古のウイスキー

 

初出は1929年。

まぎらわしいですがラベルのSince1923は言わずもがな山崎蒸溜所の竣工年です。

 

発売当初はサントリーウヰスキーという名前で発売され、通称が「白札」。

のちのニッカウヰスキー創業者である竹鶴政孝氏が寿屋(現:サントリー)の元で手掛けた、国産本格ウヰスキーの第一号です。

 

一応ウイスキー自体は販売していて、「着色、着香にてウイスキーっぽくしている」いわゆるイミテーションウイスキーが1923年以前には流通していたそうです。

ただ、白札自体も世間一般的なブレンデッドウイスキーであるグレーン+モルトのような構成ではなく、山崎モルト+スピリッツを混和したものなのでは?という考察がされていたりされていなかったりします。

実際、さつまいもを原料とした醸造アルコール(通称:芋取ウイスキー)を連続式蒸留器に掛けたスピリッツをモルト原酒とブレンドするという手法が「竹鶴ノート」の記述にあるそうです。

 

で、肝心の白札ですが結論から言うとコケたそうです。

現地で学んできた竹鶴政孝氏はあくまで現地流を貫いた(貫いている)ので仕上がりが当然スモーキーなものとなり、当時の日本人には受け入れづらいものだったそうです。

 

ただ、現在ではそんなこともなくきちんとブレンドが見直されているようです。

また、1964年に現在のサントリーホワイト」へと改称されています。

 

スクリューキャップです。

 

 

・公式評(サントリー公式サイトより)

1923年、日本初のウイスキーづくりを開始した鳥井信治郎が、国産ウイスキー第1号として1929(昭和4)年に発売。当初のブランドネームは「サントリーウイスキー」のみでしたが、白いラベルから「白札」と呼ばれるようになり、戦後はウイスキー通に愛され、通称「シロ」で親しまれてきました。このため、1964年より現在の「ホワイト」に改称。

※本製品はモルトウイスキー及びグレーンウイスキーに加え、グレーンスピリッツを使用。

https://www.suntory.co.jp/whisky/products/0000000038/0000000120.html

 

未だにグレーンウイスキーとグレーンスピリッツの違いがわからないけどとにかく別物として扱われているので調べてみると、

グレーン・ウイスキーは、その穀物のうちとうもろこしなどの穀物を主原料に、大麦麦芽を加えて糖化、発酵させ、連続式蒸溜機で蒸溜したウイスキーをさす。溜出時のアルコール度数は94.5度ぐらいまで。これが95度以上になると、グレーン・スピリッツに区分される。

https://www.suntory.co.jp/whisky/dictionary/atoz/ka.html

 

だそうです。わからん。

なんにせよ原料原産地名でグレーンウイスキー(国内製造)という記載の通りグレーンウイスキーの含有量が一番多いと読み取れるので、グレーンスピリッツについては単なるアルコール度数の調整要員とかそういう位置づけなんでしょうか?わからないのでわからないとしておきます。

 

 

・ストレートで飲んでみる

色 :明るめのゴールド

香り:軽く木材チックな香り。

   粉っぽい。木造建築現場のような感じ。

味 :ほぼグレーンな穀物穀物した味。

   ほのかな甘みと、ごくほんの少しのピート感(プラシーボ?)

   余韻は少しだけビターで、当然ながら全体的に薄味。

   飲めないことはなく、きちんとウイスキーはしている。

 

 

・ロックで飲んでみる

香り:依然として難しい香り拾いが続く。

   やや穀物チックな甘い香りが出てきた…?

味 :べったりとした甘みが歯の裏に張り付く。

   スモーキーさもやや大きく感じられるようになってきた。

   ロックからはふつうに飲めそう感が出てきたぞ!!!

 

 

ハイボールで飲んでみる

味:濃いめに作ったものの何が何だか…

  余韻にほろ苦さは感じる。

  けれどもわざわざハイボールにして飲む意味は無いかも・・・

 

 

・総評

ジャパニーズウイスキー(ジャパニーズウイスキーではない)の生きた化石

 

サントリー廉価帯には珍しくスモーキーなフレーバーがある温故知新なウイスキー

そのスモーキーさにも嫌味がなく、雰囲気付けとして良いベクトルに作用してレッドやトリスと比較すれば格段にしっかりとウイスキーしています

 

今回はやってないけれどこれこそ水割りでダラダラと飲んでいいやつなのでは?と思わざるを得ない。

令和の世にそこはかとなく昭和感を見せてくれる大御所…ありがたい…

 

今回飲んだ飲み方ではロックが一番おいしかったので、水割りもきっと美味しいと思います。

 

 

・所感

今回ひさびさにうんちく多めで見苦しくてすみませんでした。

 

余分な情報はできるだけ脳内で取捨選択して簡潔にするよう努めているのですけれど、なにぶん歴史が長いと書かなければいけないことが増えますわね。

 

ちなみに、2024年4月1日の地獄の業火の値上げラッシュにも実はひっそりと含まれていて、1,174円→1,410円(税別)となんと20%の値上げがされています。

これは碧と同じ値上げ幅で、同廉価帯のレッドやトリスは10%の値上げにとどまっているあたりホワイトはやはり原酒の格が違うのでしょうか…??

 

このあたりは角ですらあるポケットサイズのボトルも唯一存在していないあたり、サントリーからの並々ならぬ愛を感じるような感じないようなそんな存在です。

トリスエクストラもポケットボトルが無かった気がしてきたけど…まぁいいか…

 

 

・次回

まだ

 

・前回

asgsn.hatenablog.com