こんにちは。もう一度、こんにちは。
とくに理由がなく超・期間が開いてしまいましたが、先日(先日…?)つぶやいていた白州蒸溜所の見学をレポートしていきます。
今回申し込んだのは「白州蒸溜所ものづくりツアー」(税込み¥3,000)
サントリーの蒸溜所見学については現在抽選制となっており、倍率という割と狭き門をくぐったのちに山梨県の奥地への侵入を許可されるのである・・・
ニッカウヰスキー蒸溜所と違う点は、売店・テイスティングラウンジへの入場に関しても事前予約が必須というところです。注意!
※白州蒸溜所は2023年に竣工50周年を迎え、リニューアル工事が行われていました。
今回の記事はリニューアル後の見学となります!!
・小淵沢駅
道程は調べれば出てくるとは思いますが、基本は名古屋から特急しなのに乗る西ルートか、東京から特急あずさに乗っての東ルートにてここまでやってきます。
今回名古屋からのルートを選んだのですが、噂通り特急しなのはその路線からアップダウンが激しいところを通っており、車両の揺れがすさまじいので普通に乗り物酔いをしました。マジできついので乗り物酔いしやすい方は遠回りになったとしても新横浜を経由しての東ルートを選んだほうが身体的には優しいかと思います。
よっぽど見学時間を前倒しで来たって人が多数ではない限りはバスがぎゅうぎゅうになることはないかと思います。
・白州蒸溜所
シャトルバスを降りてすぐの入場口がこちら。
奥にビジターセンターがあります。
駐車場からはいわゆる八ヶ岳が見えます。
例に漏れず空気がきれい。
「八ヶ岳とは特定の一峰を指して呼ぶ名前ではなく、山梨・長野両県に跨る山々の総称」らしいです。(wikipedia)
・道中
ビジターセンターで予約確認・受付を行いネックストラップを貰います。
ネックストラップは「成人済み・飲酒可」「成人済み・飲酒不可(ドライバー)」「未成年・飲酒不可」で色分けされていて、飲酒可の人にしかツアー内で酒類の提供はされず、売店での購入済確認にも使われます。
ビジターセンターを抜けると売店やら見学エリアまでの道のりが結構あります。
しかも上り坂。
「森の蒸溜所」という触れ込みで公式でも紹介されていますし、ウイスキペディアという番組でも木々に囲まれた中突如として建物があるみたいな演出で映されていましたが、ふつうに舗装された道路のなかに機能的に各施設が配置されていました。
ディスってないです。
イメージ的には大きな自然公園の中に蒸溜所諸施設がある感じです。
人造人間16号だから単純に自然が好きです。なのでどうあってもリラックスできる環境でした。
・ツアー
話がそれましたが写真のウイスキー博物館がツアーのスタート地点です。
ここの入口右側にロッカーがあるので、大荷物の方はとりあえずここに行くことをおすすめします。多分無料だったと思います。
で、蒸溜所見学特有の初手ビデオ観覧から始まります。
ここからまた歩きを挟んで蒸溜所設備の棟へ移動します。
・白州蒸溜所
ここからが真の意味で白州蒸溜所です。
糖化・発酵・蒸溜・貯蔵まですべて同じ施設で行っているっぽいです。
・すげぇ演出
蒸溜所の見学用入口へ入ると白塗りの謎オブジェクトがお出迎えしてくれます。
プロジェクションマッピングってヤツです。
すげぇです。
こちらはリニューアル時に新設されたものらしいです。
わかりやすい上に近未来的技術を見ることができて感動を覚えました。(田舎住み特有の感性)
おなじみ(?)の麦芽やピートの紹介もここで行われます。
実際に嗅いだり触ったりできる点も楽しいです。
・仕込
工程のはじめは仕込みです。
いわゆる糖化なのですが、その前段階の麦芽の粉砕の工程は…見られたかもしれないし見られなかったかもしれません。(わすれた)
精麦については行っておらず、買い付けたものを使用しているそうなのですが、2023年時点から一部の麦芽と酵母を自社で賄う予定がある旨のニュースリリースが存在しているので、高級ラインでは純ジャパニーズな白州が今後みられるかもしれません。
こういう立て看板があると後からでも勉強しなおせていいですね。
とにかくこういう仕込み槽(糖化槽(マッシュタン))が休みなく稼働しているところは見ることができます。
・発酵
仕込槽のすぐ後ろ側に発酵槽のスペースがあります。
アルコールの生成に不可欠な工程です。
白州蒸溜所では木桶の発酵槽を使用しており、一般的なステンレス製の発酵槽よりも独特でリッチな風味を作り出す一因となっているようです。
木桶の材質はダグラスファー(オレゴンパイン(ベイマツ))だそうです。
オレゴンパインはよく聞く名前だし、ダグラスファーもやや聞く名前ですがベイマツは初見でした。というか全部同じものだとはおもっていなかった…
前者ふたつの広義的な種類がベイマツというらしいです。
・蒸溜
蒸溜所の華です。
立て看板も撮影したのですが、ガラスの向こう側に看板があったのもあり異常に映り込みがあったのでボツにしました。
以下書き起こし
Distillation
発酵によって生まれた”もろみ”をポットスチルと呼ばれる蒸溜窯を用いて2度蒸溜(初溜・再溜)することで、アルコール濃度の高い”ニューポット”を生み出します。サントリーでは、大きさや形状の異なる蒸溜窯を使い分けることで、多彩な味わいのウイスキー原酒を生み出しています。
ポットスチルは初溜・再溜ともに8基ずつ存在し、それぞれにストレート型、ランタン型が混在しています。
また、グレーン用のカフェ式連続式蒸溜器があるそうなのですが、一般公開はされていないようです。
そもそもエッセンスオブサントリーとかいう超希少なものでしか白州グレーンを飲むことができないっぽいので伝説上の生き物として認識しておいたほうがいいかもしれません。
・貯蔵
ここからは蒸溜施設を出て敷地内をバスで移動します。(所要時間3分ほど)
バスで!?
見学用の貯蔵庫に入ると貯蔵には欠かせない樽の説明が入ります。
左からバーレル、ホッグスヘッド、パンチョンです。
実をいうと未だにどれがどうだか覚えていません。パンチョンがデカい樽だということだけ覚えました。
で、製樽時に使用するハンマーを実際に持てるそうなので持ってみました。
重すぎてオモ国立公園になった!w(エチオピア)
どういう密度をしているのか、見た目の大きさに明らかに釣り合っていない重さで頭がおかしくなりそうでした。
で、お決まりの熟成による色の変化のディスプレイもあります。
広いし寒いし高所で下が見えるし何とも言えない感覚を覚えます。
また、エンジェルズシェアが飛び交っている関係上アルコールが混じった空気が充満しているのでそれはそれでテンションが上がります。ここにいるときだけは皆天使になれるのです。
アルコールが苦手な方は入らないでバスで待機してもいいよとのことなので景色を見ていても良いと思います。
・テイスティングラウンジ
って名前かどうかはわかりませんがツアー客限定のテイスティングラウンジが売店棟の半地下にあります。
ちなみに白州で採れる南アルプスの天然水が飲み放題です。
ツアーの最後を締めくくるべく左から、
・白州ライトリーピーテッド原酒
・白州ピーテッド原酒
・白州スパニッシュオーク原酒
・白州NA
が試飲できます。
というわけでいつもの形式で感想を書いていきます。
・白州ライトリーピーテッド原酒(度数43%)
色 :薄めのゴールド
香り:甘やかながらもみずみずしい、白州の要素が見える。
きれいな青りんご感。
加水で甘いはちみつの香りが開く。
味 :ややスモーキー、美味しい。
モルトの甘さ、軽い樽感が心地よく柔らかい。
加水では軽くなるものの余韻のスモーク、渋みが強くなる。
・白州ピーテッド原酒(度数50%)
色 :やや色づいたゴールド
香り:焼きたてのパン、牧草、スモーキー感が心地いい。
スモークは内陸系とアイラ系の中間…やや内陸寄り?
少量加水で甘めの香りが拾えるようになる。
味 :出汁のような味わい。加水で穀物の香ばしさ、甘さが開く。
熟した柑橘感、フルーティかつジューシーで芳醇。
・白州スパニッシュオーク原酒(度数50%)
色 :鮮やかな赤褐色
香り:やや金属っぽいシェリー香、黒糖のような甘やかな香り。
スモーキーさは鳴りを潜めている。
黒蜜付きの白州。
味 :味にはスモーキーさが感じられる。
黒糖的な甘さと、フルーティな味わい。
強烈に美味しい。
・白州NA(度数43%)
それを踏まえたうえで白州NAを飲むと、当然ながら先の3種類のどれにも当てはまらず、しかしてどれにも劣らずなある種の感動を覚えました。
軽やかですっきりな印象だったものの、しっかりとした芯を感じられる深みも持ち合わせていて、それでかつ「白州って甘かったんだ…」という気付きを得られました。
・森香るハイボール
ダメ押しでハイボールまで飲めます。
白州の水、白州NA、白州の氷(かどうかはわからない)で至高のハイボールを作ろう!!!!!!!!!!!!!!!
写真撮るのが心底下手で記事書いているときに怒りを感じました。
ミントを載せたら完成です。
ウイスキー・オタクにはおなじみですが、手のひらにミントを乗せて空気を含ませた拍手をして”空気で刺激を送り”ミントの香りを開かせます。
………
よく考えたら白州の水じゃなくて炭酸水でした。
サントリー強炭酸ストロングの採水地を調べてみたら…
白州で採っていました。よかったよかった。
ちなみに3種のおつまみもついてきます。
個包装なので食べないで持って帰るのも可。
たぶん売店にも売っています。
今回の試飲で個人的に好みだったのは…度数が高いしピーテッド原酒ですかねぇ…(アル中)
写真撮り忘れていますがツアーの参加賞で白州ロゴつきテイスティンググラス1脚(販売品とはデザインが違う非売品)がもらえます。
販売品のテイスティンググラスを真面目に買うと800円するので、ツアー+試飲+テイスティンググラスで3000円のツアー参加費は超お得だと感じ始めましたよ…
これにてツアーの全工程が終了です!!!
SNSで散々言いふらされて公然の秘密みたいになっていますが明言するのはマナーが良くないと思うので何の参考にもならない程度に言うと、ツアーに参加すると最後に良いことがあるらしいです。
・売店(ファクトリーショップ白州)
ツアーの興奮冷めやらない中その足ですぐ近くの売店に行くと
ありました。
あったんですけど…
白州蒸溜所限定シングルモルト(左下)は売り切れでした。
余市蒸溜所と違って時間経過で品ぞろえが変わるということもなさそうだったので白州NAを買って帰りました。
白州蒸溜所限定についてはよく考えたら有料試飲できるじゃん!!ということで折り合いを付けました。
ほか、テイスティンググラスや親の顔より見た碧があったりします。
白州と響のショットグラスを買った気がします。
ちなみに、時期が時期だったので100周年記念ラベルでした。
持ってなかったのでありがたいです。
・ウイスキー博物館
ツアーの開始場所がウイスキー博物館です。
どうせロッカーに入れた荷物を取りに戻ってくるのでこっちも見ておかないと損です。
そういえばさっきの試飲で飲んだのって限定発売されてたよなぁなどと思うと貴重な体験ができたと思います。
醒めよ人!といいつつ飲むと酔う酒類を売るのはロックだと思います。
ただ白札が登場した当時は白州蒸溜所はまだ影も形もないので無関係と言えば無関係です。
野暮なことばっかり言ってるなぁ…
液面低下しまくった初号角瓶。
そういえば角瓶復刻版っていつまで販売してるんでしょうね。
あれ滅茶苦茶美味しいのでおすすめです。
当ブログおなじみの初期ローヤル。
やっぱりセンスあるよなぁと思うボトルデザインです。
ローヤル博物館とかあったら嬉しいです。求む。
・えらく短い感想
行ったことない人は必ず行くべきですのよ。
・・・と、総合的に見るとこうなるのですが、道中を考えると余市のときよりも過酷だったような気がします。主に特急しなののせい
ただ、糖化からの製造工程が間近で見られるのは貴重で、この度のリニューアルで追加されたプロジェクションマッピングも一見の価値有りなほどインパクトが大きいものでした。
行かないとわからない現場の熱量というものがどの仕事場にもあると思います。
一般に向けて公開しているところが良い企業とかそういうわけではないのですけれど、一般人生活では見えづらい内部を見せてくれる、そういう機会があるところは積極的に覗いていきたいなと思いました。
自然と調和した工場施設、心が休まるすがすがしい空気の場所でした!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
・次回予告
こんなことがゆるされるのか・・・・?
つづく