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【古酒】ジョニーウォーカーブラックラベル12年(ジョニ黒)の年代判別法。

今回は世界的人気のブレンデッドスコッチ、「ジョニーウォーカーブラックラベル12年」(ジョニ黒)の話です。

 

 

はじまりは食料雑貨店を営んでいた創業者のジョン・ウォーカーが生み出した「ウォーカーズ・キルマーノックというブレンデッドモルトウイスキーでした。

 

ジョンの死去後は息子のアレクサンダー・ウォーカーが事業を引き継ぎスコッチの自家製造と卸売業に絞り会社は急成長。さらに大量生産に対応するために「ウォーカーズ・キルマーノック」にグレーン原酒をブレンドした「ウォーカーズ・オールドハイランド」というブレンデッドウイスキーを1865年に生み出しました。これがジョニーウォーカーの前身となっています。

 

アレクサンダーの死去後には跡を継いだ三代目のジョージ・パターソン・ウォーカーとアレクサンダー・ウォーカー2世が1909年に「ウォーカーズ・オールドハイランド」を改名してジョニーウォーカーのブランドを発足しました。

当初のラインナップは6年のホワイトラベル10年のレッドラベル、そして12年のブラックラベルでした。オールドハイランド時代にも色分けでグレードを区別していたのでジョニーウォーカーの前身だったというわけです。

 

現行のラインナップは下から

ノンエイジのレッドラベル12年のブラックラベル

ノンエイジのダブルブラック15年のグリーンラベル

ノンエイジのスイングノンエイジのゴールドラベル

18年(旧プラチナムラベル)ノンエイジのブルーラベル

と実に多くのラインナップがあります。

 

さて、前置きが長くなりましたが本題に移ります。

例によって画像はオークション(終了済)から引っ張ってきたので不味かったら教えてください。あと量が多いので正誤の指摘があればお願いします。

 

 

 

・コルク栓紋章あり(1950年代流通)

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斜めのラベルの左端に紋章があるのが目印とのこと。

半世紀以上前のボトルなのでほぼ流通しておらず、あったとしてもべらぼうに高いです。

 

 

・コルク栓(1960年代流通)

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コルクはだいたい1960年代流通品とみていいです。

コルクに針金がついてたりついてなかったりするらしいです。あと、ティンキャップという触れ込みで出品されていたりします。ティンキャップは1920年の初期のごくごく短期間のみに使われていたというのでたぶん誤りでしょう。

 

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・金キャップ(1970年代流通)

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1970年代に入りスクリューキャップへと変更されました。

おそらく二次流通品での現在の主役がこれだと思う。

 

ただ、流通経路の関係でなにぶんラベルの些細な差が多いので混乱します。「オールドスコッチウイスキージョニーウォーカーの2表記が存在します。

それでも見分け方は簡単で「スクリューキャップで、金色かどうか」だけです。

 

上記の50年代、60年代のラベルにも記載がありますが「エクストラスペシャル」という触れ込みで出品されてたりしますが、そういう限定銘柄というわけでなくふつうにジョニ黒です。

 

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・金キャップNY流通品(1980年代初期流通)

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金キャップのフェイント要因です。

年数表記がありますが、金キャップという意味不明な食い合わせですがこちらは1980年代初期の流通品だそうです。

 

 

・黒金キャップ(1980年代流通)

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頭が黒くなった金キャップです。このあたりから年数表記がラベルに出てきます。

 

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年数表記のところがストライディングマンのものもあります。

有名なウンチクですがこの当時のストライディングマンは(彼から見て)右向きです。海外では「右向きは過去、左向きは未来」を向いているとされ、ゲン担ぎなのか現在のストライディングマンは(彼から見て)左を向いています。

 

年数表記ありのほうは1980年代後期と説明されているところもあります。

 

 

・黒キャップ43%(1990年代流通)

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1990年代に入るとオールデスト(現在のブルーラベルゴールドラベル(現在の18年)が生まれ、ブラックラベルがブランド最上位でなくなります。

それに合わせてか、ブラックラベルが廉価帯へ変遷を始める初期のものがこのアルコール度数43%版です。容量は750mlだったりします。

 

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ラベルの感じ、ボトルの形からしてこれがちょうど40%になる直前のものだと思います。なのでこれは上のものよりは後のものかと思われます。

 

 

・黒キャップ40%(1990年代~2000年代初期流通)

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アルコール度数40%、容量は700mlと現在のスペックに落ち着きます。

 

 

・黒キャップストライディングマン左向き(2000年代~2010年代流通)

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近年のものほど情報に乏しいのは興味をあまり持たれないのか、とりあえず2010年頃にこのボトルを紹介しているブログがあったので2010年代あたりまではこのデザインだったと推測されます。

2000年代初期のものとよく見比べるとこのモデルからストライディングマンが(彼から見て)左向きに変わっています。

 

 

・現行品(2021年現在)

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見慣れたやつです。

 

 

 

 

この記事を書くにあたって多大に参考にした記事はこちらです。

liquorwhisky.blog.fc2.com

 

すげぇ詳しいのでこの記事以上のことを知りたい方は是非。

 

 

 

余談ですが・・・

現在二次流通の市場では1970年代の金キャップのボトルが5,000円くらい。

1980年代の黒金キャップのボトルが2,000円くらい。と現行のものとそう変わらない値段くらいで取引されています。

 

という感じでオールドボトル判別法のシリーズはざっくりとした備忘録みたいにやっていくことにします。興味があれば前回のジョニーウォーカースイングの記事も見てみてください。

 

 

それでは。

 

 

 ・前回

asgsn.hatenablog.com