なもなきアクアリウム

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すきなこととかたのしいことを…

【古酒】ジョニーウォーカーブラックラベル12年(ジョニ黒)の年代判別法。

今回は世界的人気のブレンデッドスコッチ、「ジョニーウォーカーブラックラベル12年」(ジョニ黒)の話です。

 

 

はじまりは食料雑貨店を営んでいた創業者のジョン・ウォーカーが生み出した「ウォーカーズ・キルマーノックというブレンデッドモルトウイスキーでした。

 

ジョンの死去後は息子のアレクサンダー・ウォーカーが事業を引き継ぎスコッチの自家製造と卸売業に絞り会社は急成長。さらに大量生産に対応するために「ウォーカーズ・キルマーノック」にグレーン原酒をブレンドした「ウォーカーズ・オールドハイランド」というブレンデッドウイスキーを1865年に生み出しました。これがジョニーウォーカーの前身となっています。

 

アレクサンダーの死去後には跡を継いだ三代目のジョージ・パターソン・ウォーカーとアレクサンダー・ウォーカー2世が1909年に「ウォーカーズ・オールドハイランド」を改名してジョニーウォーカーのブランドを発足しました。

当初のラインナップは6年のホワイトラベル10年のレッドラベル、そして12年のブラックラベルでした。オールドハイランド時代にも色分けでグレードを区別していたのでジョニーウォーカーの前身だったというわけです。

 

現行のラインナップは下から

ノンエイジのレッドラベル12年のブラックラベル

ノンエイジのダブルブラック15年のグリーンラベル

ノンエイジのスイングノンエイジのゴールドラベル

18年(旧プラチナムラベル)ノンエイジのブルーラベル

と実に多くのラインナップがあります。

 

さて、前置きが長くなりましたが本題に移ります。

例によって画像はオークション(終了済)から引っ張ってきたので不味かったら教えてください。あと量が多いので正誤の指摘があればお願いします。

 

 

 

・コルク栓紋章あり(1950年代流通)

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斜めのラベルの左端に紋章があるのが目印とのこと。

半世紀以上前のボトルなのでほぼ流通しておらず、あったとしてもべらぼうに高いです。

 

 

・コルク栓(1960年代流通)

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コルクはだいたい1960年代流通品とみていいです。

コルクに針金がついてたりついてなかったりするらしいです。あと、ティンキャップという触れ込みで出品されていたりします。ティンキャップは1920年の初期のごくごく短期間のみに使われていたというのでたぶん誤りでしょう。

 

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・金キャップ(1970年代流通)

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1970年代に入りスクリューキャップへと変更されました。

おそらく二次流通品での現在の主役がこれだと思う。

 

ただ、流通経路の関係でなにぶんラベルの些細な差が多いので混乱します。「オールドスコッチウイスキージョニーウォーカーの2表記が存在します。

それでも見分け方は簡単で「スクリューキャップで、金色かどうか」だけです。

 

上記の50年代、60年代のラベルにも記載がありますが「エクストラスペシャル」という触れ込みで出品されてたりしますが、そういう限定銘柄というわけでなくふつうにジョニ黒です。

 

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・金キャップNY流通品(1980年代初期流通)

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金キャップのフェイント要因です。

年数表記がありますが、金キャップという意味不明な食い合わせですがこちらは1980年代初期の流通品だそうです。

 

 

・黒金キャップ(1980年代流通)

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頭が黒くなった金キャップです。このあたりから年数表記がラベルに出てきます。

 

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年数表記のところがストライディングマンのものもあります。

有名なウンチクですがこの当時のストライディングマンは(彼から見て)右向きです。海外では「右向きは過去、左向きは未来」を向いているとされ、ゲン担ぎなのか現在のストライディングマンは(彼から見て)左を向いています。

 

年数表記ありのほうは1980年代後期と説明されているところもあります。

 

 

・黒キャップ43%(1990年代流通)

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1990年代に入るとオールデスト(現在のブルーラベルゴールドラベル(現在の18年)が生まれ、ブラックラベルがブランド最上位でなくなります。

それに合わせてか、ブラックラベルが廉価帯へ変遷を始める初期のものがこのアルコール度数43%版です。容量は750mlだったりします。

 

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ラベルの感じ、ボトルの形からしてこれがちょうど40%になる直前のものだと思います。なのでこれは上のものよりは後のものかと思われます。

 

 

・黒キャップ40%(1990年代~2000年代初期流通)

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アルコール度数40%、容量は700mlと現在のスペックに落ち着きます。

 

 

・黒キャップストライディングマン左向き(2000年代~2010年代流通)

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近年のものほど情報に乏しいのは興味をあまり持たれないのか、とりあえず2010年頃にこのボトルを紹介しているブログがあったので2010年代あたりまではこのデザインだったと推測されます。

2000年代初期のものとよく見比べるとこのモデルからストライディングマンが(彼から見て)左向きに変わっています。

 

 

・現行品(2021年現在)

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見慣れたやつです。

 

 

 

 

この記事を書くにあたって多大に参考にした記事はこちらです。

liquorwhisky.blog.fc2.com

 

すげぇ詳しいのでこの記事以上のことを知りたい方は是非。

 

 

 

余談ですが・・・

現在二次流通の市場では1970年代の金キャップのボトルが5,000円くらい。

1980年代の黒金キャップのボトルが2,000円くらい。と現行のものとそう変わらない値段くらいで取引されています。

 

という感じでオールドボトル判別法のシリーズはざっくりとした備忘録みたいにやっていくことにします。興味があれば前回のジョニーウォーカースイングの記事も見てみてください。

 

 

それでは。

 

 

 ・前回

asgsn.hatenablog.com

 

【レビュー】#26 『ジョニーウォーカーブラックラベル12年スペイサイドオリジン』は緑の果実と花の蜜。

オリンピックが終わりましたね アスリートの皆さん本当にお疲れさまでした。

これでいろいろ正常化してくれればいいのですが…

 

第26回はこれ。

 

 

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ジョニーウォーカーブラックラベル12年 スペイサイドオリジン

JOHNNIE WALKER  BLACK LABEL AGED 12 YEARS  ”SPEYSIDE ORIGIN”

製造元:ディアジオ

内容量:700ml

アルコール度数:42%

ブレンデッドモルト・スコッチウイスキー

購入時価格:3,300円(税込)

 

 

 

 

言わずと知れた「ジョニ黒」の構成原酒シリーズ第一弾。

日本では現在この「スペイサイドオリジンのみが流通していますが並行輸入品では「アイラオリジン」「ハイランドオリジン」「ローランドオリジン」の4種が展開されています。(1000mlで6,500円ほど)

 

また、日本でも第二弾の「アイラオリジン」が2021年11月ごろに販売が開始されるようです。

カリララガヴーリンのブレンデッドモルトらしいですがその12年物が3000円ちょいで飲めて良いの!?って感じです

 

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スペイサイドオリジンはスペイサイドモルトであるところの「カーデュ」「グレンデュラン」ブレンデッドモルトです。

ブレンデッドモルトウイスキーは何度か紹介したような気がしますがグレーンウイスキーを使わず、モルト原酒同士をヴァッティングさせたウイスキーのことです。

 

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スクリューキャップです。

スペイサイドオリジン~とか記述が無いのでたぶんオリジンシリーズ全てで共通のキャップデザインでしょうね。

誰だってそーする。おれもそーする。

 

 

・公式評

なし

 

ジョニーウォーカー海外公式にアクセスすると自動的に日本版のジョニーウォーカー公式にリダイレクトされるようになっており、まともに海外公式を閲覧できませんでした。

そこでちょっと細工をしてなんとか覗いてみたところオリジンシリーズに関する情報が一切書かれていませんでした。なんで?

 

amazon商品ページから紹介文を引っ張ってきます。

 

スコットランドモルトウイスキー蒸溜所が集まる主要4地域(ハイランド/スペイサイド/ローランド/アイラ・アイランズ)のうち、著名な蒸溜所が集中しているスペイサイド地方のモルトのみをブレンドした「ブラックラベル12年」の限定商品です。

「ブラックラベル」の特長的なスモーキーさと、スペイサイドらしい青リンゴのようなフルーティーな味わいが感じられます。

 

 

・ストレートで飲んでみる

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色 :やや深みのある琥珀

香り:はちみつのようなべったりとした甘い香りを強く感じる。

   追ってバニラ、青りんご。アルコールのツンとした刺激は少しだけ感じる。

味 :緑色の果実のような瑞々しさ。はちみつ感を大きく感じる。

   花の蜜特有の甘く植物的な香りがふわっと広がる

 

 

・ロックで飲んでみる

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香り:アルコールの刺激感がなくなり存分に甘い香りを堪能できる。

   はちみつ感が少しだけ薄れバニラ感が主体となる。

   それでも甘い香りは揺るがない。

味 :甘さ優勢。ストレートで感じた繊細なフルーツ感はどこかへ行ってしまった。

   思ったよりも余韻は持続しない。

 

 

ハイボールで飲んでみる

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味:やはり甘さ優勢だが弾ける炭酸に乗ってフルーツ感が戻ってきた。

  極甘口ハイボール。甘すぎてチェイサーがほしくなるほどに。

 

 

・総評

スペイサイド特有の爽やかさ…というのは添え物程度で甘みが主体。

ピートフレーバーが皆無なのでピート感が苦手な人でもとっつきやすい。

というかかなり初心者でもとっつきやすいボトルだと思う。

 

ハイボールも十分飲みやすくおすすめだが、スペイサイド感を楽しめるストレートでも飲んでみてほしい。

 

これが3,000円で買えるのは凄い。

グレンデュランはオフィシャルではあんまり流通していない銘柄なのでさらに貴重。

カーデュでさえも12年物は3,500円弱なのでディアジオ一体どうなってるんだ!?という感動を超えた驚愕を与えてくれた。

 

 

・所感

甘い!うまい!という感想ばかりでしたがジョニ黒と比べてみるとやはり構成原酒の多彩さのおかげでジョニ黒のほうが当たり前ですが深みがありますわね。

悪く言うとスペイサイドオリジンは味が甘さ一辺倒すぎて飲み飽きる懸念がありますわよ。

 

ジョニ黒を飲み慣れてる方からしたらどこがジョニ黒やねん!!!ってくらい甘さだけを抜き出したかのようなウイスキーなので物足りないかもしれませんわ。

 

ただ、ジョニ黒を支える一柱をこうやって別々に飲めるのはほんとうにおもしろいことなのでシーバスあたりもこういうことやってほしいですわね。(強欲)

この項では少しだけネガティブなことを書きましたが総じてコスパの非常に高い良ボトルというのが素直な感想ですわよ!!!!!!!!!!!

 

 

・次回

asgsn.hatenablog.com

 

・前回

asgsn.hatenablog.com

 

【特別編】#01~#25でレビューしたウイスキーのおすすめ度ランキング。

やや駆け足なレビュー企画も第25回を越しました。

というわけで今回は「いままでのレビューで飲んだウイスキーを独断と偏見で採点をして結局どれがおすすめなのか!?」というコーナーにします。

 

 

・コンセプト

現代においてよく耳にする言葉「コスパ」。

これに重きを置いて基本的に安くてうまい=オススメ度高しというかなりざっくりとした採点にしています。

なので基本的には安ウイスキーのほうが有利と思います。

 

もちろん価格が中堅どころでも美味しければオススメ度は上がってきます。

 

あと、ウイスキーに絞りたかったので朝倉のサクラカスクは除外しています。なので合計24本を採点します。

 

・配点について

まずは価格の点数。安ければ安いほど高得点という方式にしました。

次にテイスティングの点数。言わずもがな主観的な点数のつけかたにしました。

 

詳しくは下の心底人を馬鹿にしたような表を参照してください。

 

 価格     テイスティング

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10000円以上のウイスキーは基本飲まないという悲しい現実ならではの採点方式です。

 

価格点についてはさらに(11000-価格)÷1000という計算式で小数点以下1ケタまで算出します。

たとえば3300円のグレンファークラス12年の価格点は(11000-3300)÷1000で7.7点です。

 

で、価格点とテイスティングの点数の平均値が高ければ高いほどオススメ度が高いということです。

あと1000mlのボトルが不利なので700ml換算の価格にしています

 

・結果

さっそく結果です。

味って書いてますがテイスティングに読み替えてね

 

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オレンジはその項目での最高点、水色は最低点です。

 

 

・総合部門

 

第1位 ホワイト&マッカイ トリプルマチュアード

 

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価格点9.9 テイスティング点5 総合7.45

 

コスパで言えば随一といえるシェリー系ブレンデッド。ちなみに正統進化系の13年は8位です。13年もおすすめなので興味があったら是非。

飲み方を選ばずストレート、ロック、ハイボールなんでもござれのオールラウンダー。

個人的にこの銘柄を多少ひいき目に見てる節はありますが価格点で大きく点を伸ばしているので手に取りやすさで言えばそらそうだろうなというのが率直な感想です。

 

 ・レビュー記事はこちら

asgsn.hatenablog.com

 

 

 

第2位 ザ・フェイマスグラウス ファイネスト

 

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価格点9.5 テイスティング点5 総合7.25

 

こちらも廉価で手に入るスコットランドで人気ナンバーワンのシェリー系ブレンデッドウイスキーマッカランハイランドパークなどの有名銘柄も使われています。

飲み方は加水で大きく伸びるのでハイボールがオススメ。

ホワイト&マッカイとの差は価格だけでした。

 

・レビュー記事はこちら

asgsn.hatenablog.com

 

 

 

第3位 サントリーオールド

 

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価格点9.2 テイスティング点5 総合7.1

 

日本の侘び寂びさえ感じられるようなブレンデッドウイスキー山崎シェリー原酒がキーモルト

飲み方は比較的なんでも行けますがロック、ハイボールあたりがオススメです。

日本洋酒酒造組合が定めるジャパニーズウイスキーの定義に合致するウイスキーの中でもっとも安く手に入る、かつ歴史の深いジャパニーズウイスキー

 

・レビュー記事はこちら

asgsn.hatenablog.com

 

 

テイスティング部門

 

第1位 グレンアラヒー12年

 

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価格点6 テイスティング点7 総合6.5

 

敏腕ウイスキープロデューサーであるビリー・ウォーカー氏のもと新たな一歩を進み始めているスペイサイドシングルモルト。濃厚なメープル、バニラ、シェリー感がたまらない。

バランスの良いハイボールと甘みの洪水のストレートがおすすめ。

おおよそスペイサイドとは思えない濃厚さ。これがオフィシャルの12年で出てくるのは凄いし5,000円で買えるのも凄い。

 

・レビュー記事はこちら

asgsn.hatenablog.com

 

 

 

第1位(同率) グレンドロナック12年

 

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価格点6 テイスティング点7 総合6.5

 

辛口のオロロソと甘口のペドロ・ヒメネスの2つのシェリー樽熟成でガッツリシェリー感を楽しめるハイランドシングルモルト

加水でも崩れない芯の強さはあるけれども濃厚シェリーを楽しむにはやはりストレート。

そういえばグレンドロナックもビリー・ウォーカー氏が手掛けたものでした。ちなみに他に手掛けた銘柄はスペイサイドのベンリアックハイランドのグレングラッサです。

 

・レビュー記事はこちら

asgsn.hatenablog.com

 

 

 

 ・総評

価格点はともかく、テイスティング点がざっくりしすぎで難があったと思います。次回は第50回あたりでやるか、年末か、どちらか早いほうで実施したいと思っていますが点数のつけかたは修正したほうがいいかもしれません。

 

テイスティング部門を急遽追加したのは、総合部門が安シェリーブレンデッドの天下で筆者の好みがモロバレだったのを少しでも中和しようと思ったからです。

ただ、4位5位につけているバランタイン7年ホワイトホース12年。これらも値段と比較した完成度は素晴らしいものであるのでまだ飲んだことのない方は是非手に取っていただきたいと思う。

 

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最後にサウスアフリカウイスキーであるところのスリーシップス5年だが・・・あくまで個人の主観なので責めるところではないと思う。

ところで酒のやまやさんでスリーシップス10年というものが売り出されていた。そちらはシングルモルトで4,400円税込。ブログのネタにはなるだろうが・・・ちょっとだけ興味がある・・・。

 

 

というわけでこれからも銘柄をどんどん増やしていきたいと思いますのでこれからもよろしくですわよ!!!!!!

貼っといてなんですがamazonはどれも高いですわね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

!!

 

【レビュー】#25 『ザ・グレンリベット ナデューラ ファーストフィルセレクション』は掴みどころがなくて気難しい黄色い果実。

6月7月は行動的だったと記憶しているんですが8月に入ってからというもの無気力が止まりません。ゲームすらやってないです。

燃え尽き症候群・・・?なにか成したわけでもないのに・・・??

 

とりあえずレビュー用の資料が溜まり始めたので消化していきます。

第25回の今回はグレンリベットからの派生ボトルであるこちら。

 

 

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ザ・グレンリベット ナデューラ ファーストフィルセレクション

THE GLENLIVET  NADURRA   FIRST FILL SELECTION

蒸留所名:グレンリベット蒸留所(スペイサイド)

内容量:1000ml

アルコール度数:48%

 シングルモルト・スコッチウイスキー

購入時価格:7,562円(税込)

 

 

 

 

「ザ・グレンリベット」については第23回参照。

 

ナデューラは、ゲール語で「ナチュラル」の意味で、伝統的な19世紀の技術を使って作られた、ザ・グレンリベットの少量バッチ製品です。ナデューラ・ファースト・フィルは、それまではスコッチ・ウイスキーの熟成に使用されることのなかったアメリカン・ホワイト・オークで作られた樽で製造されます。このオーク樽は、ザ・グレンリベットの蒸留技術者達に1900年代初頭から好んで使用され、素晴らしくリッチなシングル・モルトクリーミーなバニラを暗示させます。
甘い西洋梨、トロピカル・パイナップル、熟したバナナ、シトリック・スパークルによって見事に調整されたホワイト・オークの効果を、あなたは本当に味わうでしょう。これは、樽の強さによるシングル・モルトで、私達のチームの技術とザ・グレンリベットの伝統を示すものです。そして、ほとんどの近代的なウイスキーと違って、これは、チルなしのフィルター式なので、非常にリッチなきめのあるものになっています。挑戦心のあるウイスキー愛飲家にアピールする製品です。
ナデューラ・ファースト・フィル・セレクションも、旅行用小売向けに48%で瓶詰されます。

https://www.theglenlivet.jp/our-whisky/nd-ffs.html

 

・・・ということでのっけから引用で申し訳ないのですが、公式で説明されていることがだいたい全てです。

 

アメリカンホワイトオーク樽はいわゆるバーボン樽ですね。

ついでに言うとバーボン樽のファーストフィルとはバーボンウイスキーを熟成した樽で熟成させたウイスキーのことです。さらに使いまわすとセカンドフィル、さらにサードフィル・・・といった感じです。

 

バーボンウイスキーの熟成にはアメリカンホワイトオークの新樽しか使えないという決まりがあるので、一度バーボンの熟成に使った樽はもうバーボンには使えないので他のウイスキーの熟成に使いまわされるということです。

 

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語源通り、ナデューラはカスクストレングス(樽出しそのままの度数)でボトリングされるのでアルコール度数が59%だったり60%だったりするんですが持っていたボトルは加水された48%のバージョンです。

加水されているのでナデューラとは言えないのでは・・・

 

元々はこれと同じ構成のファーストフィルのバーボン樽で熟成した「ザ・グレンリベット ナデューラ16年」だったらしいのですが、現在のラインナップにもある「ナデューラ オロロソ」にモデルチェンジしついでに年数表記無しのNA化しました。

不評だったのかもともとそういう魂胆だったのかは不明ですがすぐに「ナデューラ ファーストフィルセレクション」となりNA化したのがラインナップに加わりました。

 

現在のナデューラのラインナップは上記2つと「ナデューラ ピーテッド」の3種類です。

 

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バッチナンバーはFF0714。

見ての通りファーストフィルの7月14日ボトリングの意です。

 

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このへんはあんまり捻りのないコルク栓です。

でもコルクだからうれしい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

・公式評(日本版ザ・グレンリベット公式より)

色:淡い金色

香り:甘い西洋梨、ソフト・バニラ・ファッジ

味わい:ジューシー・パイナップル、熟したバナナ、シトラスゼスト

フィニッシュ:ミディアム、さっぱりした

Enjoy With:シーフードのチャウダー

https://www.theglenlivet.jp/our-whisky/nd-ffs.html

 

これもカスクストレングス版のテイスティングノートなのだろうか…

 

・ストレートで飲んでみる

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色 :やや白みががったゴールド

香り:香り立ちは主張が激しくなく品がある。

   リベット特有の青い果実の爽やかさ。

   バーボン樽由来と思われるバニラのような香りがついて回る。

   奥にはきっちりと樽香が構えている。

味 :黄色いフルーツを連想される酸味を伴った甘さ。

   余韻にはやや強めのビターさが残る。

 

 

・ロックで飲んでみる

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香り:甘露飴のような張り付くような甘い香り。

   樽香もはっきりと顔を出してくる。

味 :香りほどの甘さは無い。

   しかし樽由来のビターさが余韻に長く、ながーーーーーーーーーく残る。

 

 

ハイボールで飲んでみる

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味:風味が優しすぎて何もかもが霧散して残らない

  探しているうちに一杯がすぐ空になった。

  確かに華やかさは感じるがなんというか持続力が無い。。。

  感覚を手繰らせているうちに去ってしまう。そんな感じ。

 

 

・総評

このボトルはウイスキーに手を出し始めた本当に最初期に某ブログで絶賛されていたので買ってみたものなのだけれど、いまいち良さがわからなくて置いておいたもの。

ナデューラの名の如く自然派というのは判る味わいだが、いまだにこの繊細さをきめ細やかに感じ取れる領域には至っていないのだろうか・・・

 

というのは置いといてオススメはハイボールorロック、かなぁ。

ストレートでも香り豊なのだけれど…いまいち個性に欠ける気がする。

 

ちなみに「ザ・グレンリベット12年ファーストフィル」というこの商品にコンセプトが酷似したものもあるが・・・まだ飲んだことが無いので何とも言えない。

 

※半年後に飲みなおした記事がこちら。

asgsn.hatenablog.com

 

 

・所感

冒頭にも書いた通りこのボトルにはハイプルーフカスクストレングス700mlと加水された48%版1000mlがありますわよ。

値段はだいたい同じなのでどうせなら前者を買ったほうがいいと思いますわよ!!

加水なんてタダでできますし!!!!!

 

なんというかリベットなのはなんとなくわかるけど掴みどころのないウイスキー、というのが正直な感想ですわね。

加水でも伸びがいまいちなのか、ハイボールでやるなら濃い目に作るのがオススメですわよ。

・・・一応もともと度数高めなのですが

 

 

・次回

asgsn.hatenablog.com

 

・前回

asgsn.hatenablog.com

 

 

【レビュー】#24 『シーグラムVO』は所有権が二転三転した激動のカナディアンウイスキー。

文章は読みやすさが一番と思っているのですが自分自身句読点をあまり打たずに延々文章を続けるのが好きなので読んでる側としてはたまったもんじゃないなと思いながら過去の記事をたまに見返しています。

 

昔はTwitterでもそういう文章の書き方をよくやっていたので最近は短文で済ませるように人知れず努力をしています。

 

どうでもいいことは置いといて今回は第24回。

 

 

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シーグラムVO

Seagram's  VO

製造元:シーグラム社→ペルノ・リカール社&ディアジオ社→サゼラック社(現在)

内容量:750ml

アルコール度数:40%

ブレンデッド・カナディアンウイスキー

購入時価格:1,850円(税込)くらい

 

 

 

 

当ブログ初のカナディアンウイスキーです。飲むのも自身初である…

これで世界5大ウイスキースコッチアメリカンアイリッシュカナディアンジャパニーズのカテゴリが揃いました。

 

で、察しのいい読者の方ならお気づきでしょうが・・・

 

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そう、#13にて紹介したアメリカンウイスキーシーグラム・セブンクラウンのあのシーグラムです。

 

・・・といっても現在シーグラム社のワイン・スピリッツ部門はペルノ・リカール社(フランス)ディアジオ社(イギリス)に買収されていて「シーグラム」のブランド名のみを残す形となっています。

 

さらに2018年にディアジオサゼラック社(アメリカ)シーグラムVOのブランドを売却しているそうです。

サゼラック社といえばバーボンウイスキーであるところのバッファロー・トレース」「ブラントン」、「ジョージ・T・スタッグ」、「スタッグJr」などを展開している酒造メーカーです。

 

ちなみにシーグラム社はカナダの企業です。まさしく激動の所属・・・

 

カナディアンウイスキー

ライ麦を主体とした風味の強い「フレーバリングウイスキー

②トウモロコシを主体とした癖のない「ベースウイスキー

の2種をブレンドしたものです。

シーグラムVOもその例に漏れず、さらにベースウイスキーにもライ麦が使われていて風味豊かなものとなっている・・・らしい。

 

余談ですがカナディアンウイスキーには麦芽の糖化の際にを使っているところもあります。

さらに察しのいい読者の方ならお気づきでしょうが・・・「朝倉」で触れた高峰譲吉さんの製法です。

ウイスキーのスピリットが海を隔てたカナダの地で脈々と受け継がれているのはなんともロマンが溢れます。

 

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さて、話を戻すとブランデーでいうところのV.O.は「Very Old」の略ですがシーグラムVOでは「Very Own」(自身専用)という意味らしいです。

海外サイトで調べてみると、シーグラム社の創業者ジョセフ・E・シーグラム氏が自身の家族のために作ったのが由来だそうです。

 

使用されている原酒は6年以上熟成されたものだとか。

 

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セブンクラウンと同じくプラ製のスクリューキャップ。

 

 

・公式評

なんと、無し。

 

海外サゼラック公式を見てもテイスティングノートの類は一切載っていませんでした。

一応URLだけ載せておきます

https://www.sazerac.com/our-brands/sazerac-brands/seagrams.html

(海外サイト)

 

 

・ストレートで飲んでみる

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色 :やや深みを帯びたゴールド

香り:バナナのような甘い香り、南国フルーツを連想させる。

   柑橘系の香りもある?

味 :スパイシーさの中にうっすらと甘みと渋みが存在している、といった感じ。

   あんまり印象に残らない?

 

 

・ロックで飲んでみる

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香り:香りが薄まった?ほのかな甘い香りのみを感じる。

   アルコールの刺激は全くなくなったが…

味 :余韻に渋みが残る。おわり

 

 

ハイボールで飲んでみる

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味:ここへきて本領を発揮か。

  ふわっとした南国フルーツの香りが炭酸に乗り心地いい。

  ロックの段階では見せなかったが意外にも加水で伸びる。

 

 

 

・総評

ハイボールで化ける。というかこれ一択。

ストレートでも飲めなくはないが芳醇な香りとの落差が凄い。

 

カナディアンウイスキーというのをこれ以外に飲んだことがないのでこういう味が主流なのかはわからないけれど、フレーバリングウイスキーなるもので香味付けがはっきりとしているのでハイボールにて真価を発揮するのだろうか。

 

ちなみに、同じくカナディアンウイスキーである「クラウン・ローヤル」シーグラム社が生み出したもの。

こちらは現在ディアジオ社の所有になっている。

 

 

・所感

ハイボールという使い道があるとはいえこの価格帯ならスコッチブレンデッドにも無数の選択肢がありますので、よっぽどのシーグラム・マニアではない限りお呼びがかからないかもしれませんわね(辛辣)

 

ただ、香りから感じる南国フルーツ、柑橘系の香りは特筆すべき点かもしれませんわ。

肝心のお味もライト傾向ですので飲みやすいといえば飲みやすいですわね。

 

 ・・・とはいえ入手性は若干アレですわね!!!わたくしは酒のやまやさんで買いましたのよ!! 

 

・次回

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・前回

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【レビュー】#23 『ザ・グレンリベット12年』はウイスキーを「好き」にさせてくれる確かな1本。

忙しすぎてあれもう1週間経った?って感じで更新ができずにいました。

一応ネタは用意してるんですがガッツリと取る時間がない・・・ポケモンユナイトを辞めろ

 

今回は自分がウイスキーに惹かれるきっかけになった思い出の1本です。

 

 

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ザ・グレンリベット12年

THE GLENLIVET  12 YEARS OF AGE

蒸留所名:グレンリベット蒸留所(スペイサイド)

内容量:700ml

アルコール度数:40%

シングルモルト・スコッチウイスキー

購入時価格:3,000円ちょい

 

 

 

 

1824年、当時のグレートブリテン王国によってスコットランドの文化を禁止されている中でスコッチを密造していた創業者のジョージ・スミス氏の蒸留所が初の政府公認の蒸留所として認められたのが「グレンリベット」としてのはじまり。

 

ちなみに、当時その「グレンリベット」の名声にあやかろうと様々な蒸留所が「グレンリベット」を冠した名前にしていました。

公式サイトでもそれとなく24の蒸留所の名前が背景画像で示されています

ここで全部紹介するとレビュー前に行数がえらいことになるので記事の最後に紹介します。

(文章では25もの蒸留所が名乗っていたとあるのでひとつだけ晒されていないところがあるっぽいです。)

 

価格、入手性、中身、どれも手に取りやすくシングルモルトスコッチの入門といえばこれ!というのが共通認識だと思います。

かくいう自分も一度苦手になったウイスキーがこれを飲むことでまた好きになれました。

ほんとうにありがとう。

 

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2019年の年末ごろにほぼすべてのボトルデザインがリニューアルされたのが記憶に新しいです。

写真は左が現行右が旧デザインです。

自分が初めて出会ったボトルは右のほうなので、旧ボトルのほうに愛着があります。

 

近々やろうと思っていますので今回は新旧の飲み比べはしません。

 

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現代風に洗練されたといえば聞こえはいいケド・・・没個性的になってしまったなぁとリニューアル直後は思っていました。

今は慣れた感がありますがやはりリベットとしてのボトルの存在感は後退したよなぁという感じはします。

 

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かわいらしいコルク栓!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

・公式評(日本語版公式サイト)

色  :あざやかで明るい金色 

香り :フルーティ 

味わい:ザ・グレンリベット特有のバニラ、 はちみつの甘さを伴う芳醇でソフトな風味 

余韻 :柔らかく滑らかな余韻

 

このウイスキーは、これまで数多くの表現で呼ばれてきました。スムース、フルーティ、複雑な、洗練された、楽しませてくれる、古典的、などなどです。ウイスキーの年鑑 ”The Original Malt Whisky Almanac”では「最高級のモルト。世界で最も人気のあるモルトの一つ。それだけの価値がある。」と評価しています。

ザ・グレンリベットの特徴的なスタイルを代表する、このクラシック・モルトは、主としてアメリカン・オークの空き樽で熟成されます。. それらにより、バニラの口当たりと独特のスムースさが与えられます。ジョージーの湧水から出る、ミネラル分の豊富な水が、マッシングと発酵の過程でフレーバーを形成し、同時に銅製の蒸留器の特別な高さと幅が、デリケートかつ複雑な特徴を付加します。

https://www.theglenlivet.jp/our-whisky/cc-12.html

 

 

 

・ストレートで飲んでみる

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香り:青りんご、洋梨のようなフレッシュな香り。

   次いではちみつのような甘い香り。

   アルコールの刺激は気になるほどでもない。

味 :まろやかな甘み。やはり爽やかな香りが抜けていく。

   余韻に微かなオーキーさと蜜のような甘みが長く残る。

 

 

・ロックで飲んでみる

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香り:はちみつの甘い香りが主体となる。

   甘い香りがかなりねっとりと主張してくる。

   奥に微かな樽香を感じる。

味 :やはりフレッシュさに代わり甘さが主体となる。

   余韻はややビター優勢と言った感じ。これはこれでいいバランス。

 

 

ハイボールで飲んでみる

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味:青りんご、洋梨のようなフレッシュな爽快さは炭酸でも割り負けない。

  それらが遺憾なく存在感を示す。やや甘みに振れたハイボール

 

 

・総評

じつはボトルチェンジしてからというもの飲み進めても現行にはあまりいいイメージがなかったのだけれど、今回きちんと向き合って飲みなおしてみると青い果実、爽やかな中にある蜜のような甘さといったリベットの「らしさ」というのは全く色褪せてなく、むしろフレッシュさで勝負をしているような印象を受けた。

 

飲み方を選ばないオールラウンダーと言えるが、このウイスキーのスペックを存分に楽しむならやはりストレート

ノンピートの製法にこだわった爽やかでフルーティなまさしくスペイサイドの手本といえる味わいが、そこに、ある。

 

・・・というのが感想だが旧ボトルを最後に飲んでから久しいのでまた飲みなおしてみたいと思う。

旧ボトルは終売ということもありやや高騰しつつあるものの、まだまだ手に入るレベルなので気になった方は手に取ってみるのもいいかもしれない。

 

初心者向けと言われがちだけれど、ウイスキーを飲み慣れた人でもこれを飲んで振り返ることで新たな発見につながり楽しめる一本だと思った。

 

 

・おまけ かつてグレンリベットを名乗った蒸留所たち

ちなみにぜんぶスペイサイド。

 

アベラワー オルトモア バルメナック ベンロマック

コールバーン(閉鎖蒸留所) コンヴァルモア(閉鎖蒸留所)

クラガンモア クライゲラヒ ダルユーイン ダフタウン

グレンバーギー グレンデュラン グレンエルギン

グレンファークラス グレングラント グレンキース

グレンロッシー グレンマレイ グレンロセス

インペリアル(閉鎖蒸留所) ロングモーン

マッカラン ミルトンダフ スペイバーン

 

こうしてみると今でも健在かつ名のある蒸留所だらけであり、ひとときの経歴はどうであれ今まで生き残ってきた確かな力を持つ蒸留所だということがわかります。

 

 

・所感

余談ですが、ザ・グレンリベットには愛飲家の会員サイト「ザ・グレンリベット ガーディアンクラブ」なるものが存在しますわよ。

入会費、年会費は無料で、ガーディアンクラブ内のポイントプログラムを利用すればタダでグッズがもらえたりするのでリベットファンなら登録しておいて損はありませんわね。

 

以前はイベントの開催も盛んに行われていたようだけれども最近はコロなんとかの影響か静かになっているようですわね。。。

www.theglenlivet.jp

 

初めてリベットを買った当時の購入履歴をみたらamazonで一緒に資格試験の参考書を買っていておハーブ生えましたわよ。

 

 

 

・次回

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【テイスティング】ウイスキーの表現についてあれこれと。

 

いろんなサイトでウイスキーの感想を漁ってたりしますが正直難解なものも多々あります。「ポエムだ・・・」という感じで高度なのですが、言葉の意味を知らないので頭にイマイチ入ってこない。

自分自身が理解を深めるのも兼ねてすこし並べてみます。

 

一緒に勉強しましょう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

・色

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左:ウシュクベ・リザーブ 右:グレンアラヒー12年

 

色はもっとも最初に触れる要素です。

基本的にウイスキーの色については黄色系赤色系の間で表現されます。

黄色と赤色の中間あたりが「琥珀」です。

黄色系淡いゴールドゴールド褐色赤褐色赤色系

 

色に関しては個人の感性なので多少雑でもいいと思っています。

 

 

 

・香り

 

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香りの分類はウイスキー文化研究所代表、土屋守氏の「ノージングサークル」や、スコットランドウイスキー評論家、チャールズ・マクリーン氏の「マクリーン・ホイール」などが有名ですが、どちらにせよだいたい8つの項目に大別されます。

 

・ウッディ

樽からくる香り。焦げた樽。バニラ。カスタード。スパイシー。

 

・サルファリィ

硫黄系の香り。ゴム臭。火薬臭。

 

・シリアル

穀物系の香り。麦芽の香り。モルティ。パンの香り。コーン。

 

・フェインティ

蒸留由来の香り。ハチミツ。バター。紅茶の香り。発酵臭。

 

・フルーティ

エステリーとも。りんご。洋梨。熟した果実。溶剤臭(セメダイン)。

 

・フローラル

草っぽい香り。花の香り。干し草。

 

・ピーティ

燻製の香り。スモーキー。ピート香。ヨード香。薬品臭(ケミカル)。

 

・ワイニィ

ワイン系の香り。シェリー。レーズン。ナッツ。チョコレート。

 

 

このウイスキーはどの要素とどの要素を持っているか?というのを探しながら飲むと面白いです。食に造詣が深い人はありとあらゆる食べ物からニュアンスが似たものを引っ張ってきていて脱帽するばかりです。

 

 

・難解な表現

頻出だけど馴染みのない表現たち。

 

・ヘザー

スコットランドの国花のひとつ。花の香り、花の蜜のような表現のときに使われる。

 

・ワクシー

キャンドル、蜜蝋の香り。

 

・ブリニー

塩辛さ。海水の味。

 

・マジパン

砂糖とアーモンドを挽いて練り合わせた洋菓子。

 

・バタースコッチ

バター、赤砂糖を主な原料として作るキャラメル然としたソースのようなもの。

バタースコッチとして売られているパンはこれを塗ったもの。バタースコッチ=パンではない。(知らなかった)

 

・オイリー

油っぽさ。油脂。

 

 

 

・・・などなど、たくさん書きましたが表現についても人それぞれなので自分が「これだ!」と思ったことをそのまま書けばいいと思います。無理してポエムっぽく綴る必要はあまり無いでしょう。

ただ、表現としての言葉を知っておくと純粋に表現の引き出しが多くなるのでそういう点ではフレーバーの言葉を知っておくのは大きなメリットだと思いました。

 

目で見て、鼻で嗅いで、口で味わう。

感覚をフルに使って文章に起こす。

意外と楽しいですよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!